コンテンツにスキップする

外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません 外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません

マグニフィセントセブンに“不意打ちの売り” S&Pとナスダックは最高値から下落 ナスダック100の見通し

11日の米国株式市場ではマグニフィセントセブンの売りを受け、S&P500とナスダックが最高値から下落した。マグニフィセントセブンと比べて割安かつ出遅れ感のあるバリュー株や中小型株に資金がシフトする動きが見られた。今日以降の焦点は、この動きが続くかどうか?を見極めることにある。マグニフィセントセブンの影響を最も受けやすいナスダック100の見通しは?注目のチャート水準は?

Source: Adobe images Source: Adobe images

この記事のポイント

・マグニフィセントセブンに“不意打ちの売り”、ナスダック100は10日線の攻防が焦点に
・セクターローションが加速すれば、ナスダック100は再び調整の反落相場を警戒
・高まる9月利下げの可能性、米長期金利は低下基調を維持
・ナスダック100の下落局面では押し目買いを狙いたい


ナスダック100 注目のチャート水準

上値の水準(レジスタンス)

・20,691:7月11日取引時間高値
・20,600:レジスタンスの水準
・20,558:エクステンション161.8%
・20,400:レジスタンスの水準

下値の水準(サポート)

・20,165:10日線(11日時点)
・20,000:節目の水準、半値戻し
・19,893:21日線(11日時点)、リトレースメント61.8%


マグニフィセント7に“不意打ちの売り”

11日のアメリカ株式市場では、ダウ平均(DJI)が前日比32ドル39セント(0.08%)高と小幅に続伸したものの、多くの機関投資家が運用のベンチマークとするS&P500種株価指数(SPX)とハイテク株比率の高いナスダック100(NDX)は反落した(下のチャート、赤棒グラフを参照)。

昨日の米株安をけん引したのが、マグニフィセントセブンの売りだった。8月に予定していた自動運転タクシー「ロボタクシー」の発表を10月に延期することを発表したテスラ(TSLA)以外、特段の売り材料がないなかでの下落は、まさに“不意打ちの売り”だった。

特に米半導体株のリーダー銘柄であり、反発のムードが高まっていたエヌビディア(NVDA)が下落した影響は大きい。

昨日の下落を受け、6月20日の取引時間中に付けた最高値140.76レベルを起点に短期レジスタンスラインが形成される可能性が浮上してきたからだ。

マグニフィセントセブンと主要指数の動向:7月11日

マグニフィセントセブンと主要指数の動向:7月11日 ブルームバーグのデータで筆者が作成

出遅れ株へのセクターローション

S&P500種株価指数(SPX)とナスダック100(NDX)が下落する一方、ダウ平均(DJI)とラッセル2000(RUT)が上昇した状況は、割高感のある主力の大型グロース株(特にマグニフィセントセブン)からバリュー株や中小型株へ資金がシフトしていることを示唆した。

ダウ平均は、ナスダック指数と比べてバリュー株の比率が高い。24年のバリュー株はグロース株と比べて出遅れ感が強い。

ダウ平均の動き以上に注目したいのが、中小型の代表的な株価指数ラッセル2000である。

昨日は、5月のレジスタンス水準「2,110」レベルを大陽線で一気に上方ブレイクした。3月28日の高値水準をも突破すれば、新たな上昇局面へシフトする可能性を意識する状況にある。

現在の米株高は、マグニフィセントセブン(一部の大型株)に依存している。しかし、中小型株への資金シフトが進行する場合は株高のすそ野が広がることになり、米国株全体の下支え要因となろう。

ラッセル2000のチャート:日足 年初来

ラッセル2000([indices:R2000|RUT])

出所:TradingView


ナスダック100、今日の見通し

反落は押し目買いのチャンス

出遅れ感のあるバリュー株や中小型株への資金シフトが進行すれば、マグニフィセントセブンの影響を受けやすいナスダック100(NDX)の調整売りを促す可能性がある。

しかし、現時点では短期的な調整売りで終わる可能性が高いだろう。そう考える理由は2つある。

ひとつは上で述べた株高のすそ野である。 バリュー株と中小型株への資金シフトが続けば米国株全体を下支えする。マグニフィセントセブン頼みの歪な状況よりも、株高のすそ野が広がる方が投資家にとってリスクを取りやすい環境が整う。

もう一つの理由は、米10年債利回り(長期金利)の動きにある。昨日は、3月13日以来となる4.165%まで低下する局面が見られた。

米長期金利のチャート:日足 年初来

米長期金利のチャート:日足 年初来

出所:TradingView

利下げ期待の高まりと米金利の低下

米長期金利の低下が進行している主因は、利下げ期待の高まりにある。

短期金融市場では現在、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)でパウエルFRBが利下げに踏み切る確率を90%前後まで織り込む状況にある。そして12月のFOMCでは2回目の利下げが行われる可能性が意識されている。

いずれによ利下げ期待の高まりと米長期金利の上昇が抑制されている状況は、マグニフィセントセブンにとって追い風となろう。

決算でマグニフィセントセブンの成長性に疑念が生じない限り、ナスダック100(NDX)の反落は、短期的に押し目買いのチャンスと捉えたい。

注目の下値水準

本日、ナスダック100(NDX)が続落する場合は、昨日の下落を止めた10日線の攻防に注目したい(下の日足チャートを参照)。なお、10日線が推移している水準(11日時点20,165レベル)は、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準(20,117)に近い(下の1時間足チャートを参照)。

今晩の米生産者物価指数(PPI、6月)でインフレが鈍化の傾向にあることが確認される場合は、米長期金利の低下を促す可能性がある。7月のミシガン大学期待インフレ率が予想外に低下する場合も、同じく米長期金利の低下要因になり得る。

米金利の低下を受けてナスダック100が10日線を維持する場合は、トレンドフォローの短期買いを考えたい。

しかし、日足のRSIは買われ過ぎの水準からデッドクロスへ転じている。MACDでもデッドクロスが確認される場合は、地合いの強さが後退していることを市場参加者に意識させよう。

今日の経済指標が米長期金利の反発要因となるか、上で述べたセクターローションが進行する場合、ナスダック100は10日線を下方ブレイクする展開を想定しておきたい。

このケースでは、節目の20,000ポイントの維持が焦点となろう。この水準は、6月12日以降の高安で算出される半値戻しの水準(20,019レベル)にあたる(下の1時間足チャートを参照)。

本日、ナスダック100が20,000ポイントの水準を視野に下落幅が拡大するか、この水準を下方ブレイクする展開が見られる場合は、21日線の維持が焦点として浮上しよう。

この移動平均線は19,893レベルまで上昇している(11日時点)。すぐ下の19,860レベルは、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準にあたる(下の1時間足チャートを参照)。

ナスダック100のチャート:日足 年初来

ナスダック100のチャート:日足 年初来

出所:TradingView

ナスダック100のチャート:1時間足 6月12日以降

ナスダック100のチャート:1時間足 6月12日以降

出所:TradingView


本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

米国株分析レポート

米国株を取引する際に知っておきたい情報はこちら。米国株式市場に影響を与えるニュースからトレンド分析まで、IG証券のマーケットアナリストが解説します。

リアルタイムレート

  • FX
  • 株式CFD
  • 株価指数CFD

※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。

モーニングメール

ストラテジストによる「本日の予想レンジとトレンド」を毎朝※無料でお届け中! ※メール送信は基本的に月~金の平日を予定しておりますが、ストラテジストの都合により予告なく送信を行わない日がございますので、予めご了承ください

弊社の個人情報保護方針・アクセスポリシーにご同意の上、申し込みください。

こちらのコンテンツもお勧めです

IG証券はお取引に際してお客様がご負担になるコストについて明確な情報を提供しています。

FX/バイナリーオプション/CFDのリーディングカンパニー。IG証券について詳しくはこちら

その日の重要な経済イベントが一目でわかるカレンダー。「予想値」、「前回値」、「発表結果」データの提供に加え、国名や影響度によるイベントのスクリーニング機能も搭載。