【アメリカ株】ハイテク決算こなしS&P500は強気相場を維持、PCEデフレーターにらみ
米ハイテク決算をこなし、S&P500は強気相場を維持している。今日はPCEデフレーターが材料視される可能性あり。インフレ再燃の懸念が後退すれば、6,100の再トライを想定したい。
記事の概要
第4四半期の米国GDP統計で個人消費の底堅さとインフレ圧力の根強さが確認された。しかし、米長期金利(10年債利回り)は4.5%台で上昇が抑制されている。底堅い景気と長期金利の動きを受け、S&P500は6,100を視野に強気相場を維持している。今日は昨年12月の個人消費支出価格指数(PCEデフレーター)が材料視される可能性があろう。S&P500の見通しについて。
目次
底堅い個人消費、上昇が抑制される米金利、強気相場を維持するS&P500
10-12月期のアメリカGDP(速報値)の伸び率は前期比年率で2.3%と、前四半期の3.1%から鈍化した。しかし、アメリカ経済の土台である個人消費の伸び率は前期比年率で4.2%と、前四半期の3.7%から上昇した。
底堅い個人消費は、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)が指摘する堅調な経済を支えている。労働市場も同じ状況にあることで、アメリカではインフレ再燃の懸念がくすぶる。事実、10-12月期のコアPCE(速報値)は 前期比年率で2.5%と前四半期の2.2%から上昇し、インフレ圧力の根強さが示された。
景気の底堅さとインフレ再燃の可能性がくすぶるなかでも、米長期金利の上昇が抑制されている。昨日の個人消費とコアPCEに対する10年債利回り(長期金利)の反応も薄く、4.5%台で小動きの状況が続いている。景気の強さに加えて、長期金利の上昇が抑制されていることも重なりS&P500は強気相場を維持し、再び6,100の水準をトライするムードにある。
アメリカ10年債利回り:1時間足 1月9日以降
出所:TradingView
くすぶるインフレ再燃の懸念、PCEデフレーターに注目
今日は、2024年12月のアメリカ個人消費支出価格指数(PCEデフレーター)が発表される。トランプ関税の不透明感が意識されるなかでも米国株は底堅さを維持している。米連邦準備制度理事会(FRB)が重視する物価指数でインフレ再燃の懸念が後退すれば、長期金利は4.5%を割り込む可能性がある。景気の底堅さが意識されている状況での長期金利の低下は、米国株の押し上げ要因となろう。S&P500は、以下でまとめたレジスタンスラインの攻防に注目したい。
一方、PCEデフレーターがインフレ再燃の懸念を意識させる内容となれば、調整売りを想定したい。ブルームバーグがまとめた市場予想では、前年同月比のコア指数以外は昨年11月から上昇の見通しにある。特にコア指数が予想以上に上振れする場合、S&P500は以下でまとめたサポートラインの攻防を意識したい。
米国 個人消費支出価格指数(PCEデフレーター):2023年12月以降
ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 赤の棒グラフとドット:24年12月の予想
ブルームバーグのデータで筆者が作成
レジスタンスライン
・6,128:1月24日の高値(日足)
・6,100:レジスタンスライン(15分足)
・6,086:1月30日の高値
一方、PCEデフレーターでインフレ再燃の懸念が高まれば調整の株安を想定したい。S&P500は節目の6,000ポイントの維持が焦点となろう。このサポートラインをトライするサインとして、今週27日の安値と昨日高値の半値戻し6,024ポイント及びフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準6,010ポイントの攻防に注目したい。昨日は前者の半値戻しで相場が反発した。
サポートライン
・6,024:半値戻し(15分足)
・6,010:フィボナッチ・リトレースメント61.8%(15分足)
・6,000:サポートライン(日足)
S&P500のチャート
日足:2024年8月以降
出所:TradingView
15分足:1月27日~30日
出所:TradingView
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