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【米国株 ウィークリーレポート】 今週は調整の反落を警戒

今週の米国株は、調整の反落を警戒したい。特に期待先行で買われてきたハイテク株で調整売りの圧力が高まる可能性がある。株価指数ではフィボナッチ・リトレースメントの38.2%戻しで上昇が止められたナスダック100指数の動向に注目したい。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

調整の反落を警戒する1週間


【サマリー】
・GAFAのさえない決算と“強すぎる”内容となった1月の米雇用統計について
・今週の米国株はハイテク株の調整売りを警戒したい
・ナスダック100指数はテクニカルの面で重要な局面に差し掛かっている
・ナスダック100指数のチャートポイントについて


今週はハイテク株の反落を警戒する1週間に

決算をミスしたビッグテック企業
23年1月の米国株は、ハイテク株の上昇を土台に上昇相場となった。この状況で先週は、アメリカを代表するビッグテック企業-アルファベット(グーグル/GOOGL)、アマゾン(AMZN)、メタ(旧フェイスブック/META)、アップル(AAPL)が相次いで四半期決算(4Q決算)を発表した。

結論を端的に言うと、上の4社全てが最終減益となった。

同社の売上高の増加率は1%まで落ち込み、景気の減速を反映し主力の広告事業は2年半ぶりに前年同期を割り込んだ。YouTubeの広告収益は予想外に落ち込み、前年同月比で8%減となった。

不況に強いと思われたクラウドコンピューティングの業績は新規契約の遅れなどにより、売上高の伸び率が前年同期比20%増にとどまり、過去最低の増加率となった。1~3月期の売上高見通しも1210億~1260億ドルと低調だった(アナリスト予想の平均は1255億ドル)。

自社株買いの購入枠を400億ドルに拡大したことが好感され、先週の株価は約23%も急騰する展開となった。レイオフ(従業員の解雇)による事業のスリム化も好感された。しかしEPSはアナリスト予想を下回り、かつ3四半期連続での減収となった。

売上高は前年同期比5%減となり、かつ純利益は同比13%減の299億9800万ドルと、2019年1〜3月期以来(15四半期ぶり)の減収減益となった。ドル高による海外売上高の減少に加えて、中国での新型コロナウイルス感染拡大で主力商品「iPhone」の供給不足が影響した。

※〇:アナリスト予想を上回る結果 / ×:アナリスト予想を下回る結果

さえない決算でも株価は上昇
上の「〇/×」が示すとおり、ビッグテックの4Q決算は総じてさえない内容となった。

しかし、アマゾンを除いたテック株の株価上昇率(週間の上昇率)は、いずれもナスダック指数のそれらを上回った。この動きは、1月の期待先行相場の根強さを示唆している。その根強さを支えているのは、連邦準備制度理事会(FRB)が3月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを停止し、かつ今年の後半には利下げに転じるという先走った期待である。

GAFAとナスダック100指数の週間騰落率:1月30日~2月3日

GAFAとナスダック100指数の週間騰落率:1月30日~2月3日 基準日:2023年1月27日

“強すぎた“1月の雇用統計
ビッグテックのさえない決算が続いたタイミングで、先週3日に発表された1月の米雇用統計は、“強すぎる”内容となった。

非農業部門雇用者数変化は51.7万人と、予想の18.8万人をはるかに上回った。娯楽、専門職、医療にホスピタリティーと、幅広いセクターで雇用の増加が見られた。

一方、失業率は3.4%と予想外に低下した(1月は3.5%から3.6%への上昇が見込まれていた)。そして賃金(平均時給)は、前年比で4.4%増と予想の同比4.3%増を上回り、12月分は4.8%へ上方修正された。一方、前月比では0.3%増となり、こちらも12月分が0.4%へ上方修正された。

アメリカ非農業部門雇用者数変化、失業率、平均時給の動向

アメリカ非農業部門雇用者数変化、失業率、平均時給の動向 データとチャート:米労働省、Bloomberg / 月次(2021年~)

今月2日、チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス(アメリカの再就職支援会社)が発表した雇用調査によれば、アメリカ企業全体における先月の人員削減の数は10万2943人だった。前月比で2.4倍に膨らみ、2020年9月以来、2年4カ月ぶりの多さとなった。なかでも上で述べたビッグテック企業を中心にIT企業による人員削減は4万1829人と、全体で最も多い41%となった。

しかし、1月米雇用統計の結果は、レイオフされてもすぐに解雇者を吸収する強さを未だに労働市場が維持していることを示した。

22年3月をピークに賃金インフレは抑制の傾向が続いている。しかし、1月は雇用増に連動し前年比で予想を上回った。

これらの状況は、労働市場が今後も引き締まった状況が続く可能性を示唆している。労働市場の引き締まりは金融引き締め政策の長期化に対する懸念につながる。3日の米債市場ではこの懸念が意識され、金融政策の方向性を織り込んで動く2年債利回りが一時4.3%台へ急騰した。

アメリカ金利の動向

アメリカ金利の動向 チャート:Bloomberg / 日足(年初来)

ハイテク株の調整売りとナスダック100指数の反落リスク

1月の急上昇、ビッグテックのさえない決算、そして“強すぎる”米雇用統計の結果を考えるならば、今週の米国株はハイテク株を中心に調整売りの圧力が強まることが予想される。

株価指数では、ハイテクセクターのトレンドを示すナスダック100指数(NDX)のボラティリティが拡大する可能性があろう。

ナスダック100指数のトレンドを週足チャートで確認すると、先週は短期レジスタンスラインと52週線(MA)をブレイクする強さを見せた。しかし、フィボナッチ・リトレースメント38.2%戻しの水準(12,856レベル)で見事に上値が止められたことがわかる。

一方、先週3日の日足ローソク足のかたちは「上影陽線(トンカチ)」となった。高値圏でのトンカチは、38.2%戻し以上の水準からの上値追いについて市場が警戒していることを示唆している。

ハイテク株で調整の下落相場が続く場合は、短期サポートラインを視野に下落幅の拡大を想定しておきたい。

一方、ナスダック100指数が上昇基調を維持する場合は、上で述べた38.2%戻しの攻防が焦点となろう。

上昇局面で注目すべきポイントが2つある。ひとつは、38.2%戻しの水準を突破した後、この水準がサポートポイントとして意識されるかどうか?である。

上の状況が確認される場合は、もう一つの注目ポイントである半値戻し(13,600レベル)のトライが焦点として浮上しよう。

ナスダック100指数のチャート:週足

ナスダック100指数のチャート チャート:TradingView / 週足(2022年9月~)

ナスダック100指数のチャート:日足

ナスダック100指数のチャート チャート:TradingView / 日足(年初来)

まとめ

・GAFAの4Q決算はすべて減益と最終減益となった。また、1月の米雇用統計では労働市場の引き締まり(堅調さ)を意識させる内容となった。

・1月のハイテク株は期待先行の上昇相場が続いていたが、GAFAのさえない決算と“強すぎる”1月米雇用統計の内容を受け、今週は調整の反落リスクを警戒したい。

・株価指数で注目したいのがナスダック100指数(NDX)である。先週はフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準で上昇が止められた。ハイテク株の調整売りが続く場合は、短期サポートラインの攻防が焦点として浮上しよう。

・ナスダック100指数が上昇トレンドを維持する場合は、2つの点に注目したい。ひとつは、フィボナッチ・リトレースメント38.2%戻し(12,900レベル)の“サポート転換”である。
これが確認される場合は、もう一つの注目ポイントである半値戻し(13,600レベル)のトライが焦点として浮上しよう。



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