【11月の業績相場~ラリーはクリスマス商戦に続く?】
高まる消費者、企業の景況感!
企業と消費者のマインドが改善している。相次ぐハリケーン上陸も、むしろ復興需要などから9月のISM景況感指数は、製造業、非製造業ともに好不況の分岐点50はおろか60前後と極めて高い水準をマーク。
10月のミシガン大学消費者信頼感指数はITバブル以前の13年ぶり高水準に迫っている。低金利、16年ぶり低水準の失業率のほか、最高値更新の株価など押し上げ要因と見られる。GDPの約7割を占める個人消費の拡大をドライバー要因に、自律的な経済成長継続が見込まれ、相場の年末ラリーも期待される。(増渕)
【改善する企業及び消費者マインド~個人消費を起点に経済は好循環へ】
米株牽引役の半導体注目銘柄!
米株牽引役のハイテク、中でも半導体株は引き続き上昇基調にある。SOXの年初来上昇率は、主要3指数を大きくアウトパフォームしている。
個別にはラムリサーチ(LRCX)、アプライド・マテリアルズ(AMAT)、マイクロン・テクノロジー(MU)などが好業績、PER水準などから評価余地があると見ている。需要増に加え、東芝(6502)問題もNANDの供給を引き締め市況高に寄与し、DRAMの供給逼迫などもあり、KLAテンコール(KLAC)も含め注目したい。エヌビディア(NVDA)は長期スタンスで押し目を拾いたい。AMDは期待値がやや高すぎる面に注意したい。(庵原)
【米国株の牽引役である半導体企業の注目銘柄!~好業績は続く?】
上方修正の公算大きい
2017/12期3Q(7-9月)の決算発表が本格化。10/20現在、S&P500構成企業は、前年同期比2.57%増益が見込まれている。一方、10/24時点で138社が決算発表を行い、73.2%にあたる101社が市場予想を上回った。ハリケーンの影響などから市場予想は保守的だが、現状の実績増益率の動向から3Q実績は市場予想を大きく上回る公算が高い。
S&P500の予想PERは過熱感が指摘されるが、EPSの上方修正の可能性が高く、現状のPER水準は十分許容できよう。セクター別にはエネルギーの大幅回復、ハイテクの半導体、ソフトウェアなどの大幅増益が見込まれており、注目したい。(増渕)
【3Q決算本格化~上方修正の公算から予想PER水準は許容可能?】
良好な外部環境で販売拡大へ!
NRFによれば、今年のクリスマス商戦は前年同期比3.6-4.0%増、6,788-6,820億USD(約77.5兆円)の見通し。GDPの約7割を占める個人消費の動向が注目される。ハリケーンの爪痕が懸念材料だが、好景気を背景に好調な小売販売が期待される。
低金利、住宅価格の上昇、株高などから消費者マインド改善が続いている。宝飾品、スマホのほかAIスピーカーなどの販売が期待される。未だ構成比の低いEコマースの拡大が期待されアマゾン(AMZN)、ウォルマート(WMT)のほか、ティファニー(TIF)などに注目したい。(庵原)
【2017クリスマス商戦は?~好景気を背景に伸びは前年上回る見通し!】
原油高想定し関連銘柄に注目!
世界的景気回復などを背景に、原油需要は拡大している。OPECと非加盟国の産油国は2018/3以降も協調減産を継続する可能性が高まっている。ただ、シェール・オイル生産には先行き不透明感があり、減産効果相殺の可能性もあるため注視したい。
IEA(国際エネルギー機関)は、来年の世界石油需要を上方修正の一方、EIA(エネルギー情報局)は、来年の原油生産量を日量980万バレルと従来の1000万バレルから下方修正。全世界のリグカウント(稼働掘削機数)は、ヒストリカルに見て低水準。ベーカー・ヒューズ公表の米リグカウントは3週連続で減少。今後も堅調な原油価格を見込み、エクソンモービル(XOM)、シェブロン(CVX)などの株価に注目したい。(増渕)
【先行き不透明感もあるが需要拡大~需給引締まりが想定される原油市場】
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本レポートの作成者:公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員庵原浩樹
フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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