【5月の相場見通し~材料一巡し高値圏でのレンジ内相場を予想!】
業績動向からの投資戦略は?
2017/12期1QのS&P500構成企業のEPSの増益率は、2桁増益が見込まれており、出足は好調だ。4/25時点で152社が発表を終え、115社(75.7%)が市場予想を上回った。実績を含めた500社の増益率見通しは4/21時点の前年同期比10.05%増に対して同14.70%増に拡大しており、期待が高まることになろう。
24業種別では、消費者サービス、メディア、小売、銀行、証券など各種金融、ヘルスケア機器・サービス、資本財の他、半導体、テクノロジー・ハード・機器、素材の増益率が高く、業績動向が注目される。(庵原)
【滑り出し良好な2017/12期1Qの業績動向~注目のセクターは?】
業種別騰落からの投資戦略は?
4/25時点で素材が4月の騰落率トップであり、業績動向からも更なる上昇余地もあろう。資本財や一般消費財・サービスにも注目したい。ハイテクは年初来上昇率が大きく、期待値も高いため注意も必要だが、引き続き注目したい。金融は大手の良好な決算が確認されており、再評価の余地は大きいと予想している。
この他個別には、市場予想を上回る好決算を発表したキャタピラー(CAT)、アーコニック(ARNC)、ヤフー(YHOO)のほか、カジノのウィン・リゾーツ(WYNN)などの株価動向にも注目したい。(庵原)
【業績と株価パフォーマンスの動向から注目セクターは多岐に亘る!】
世界経済成長引き上げとリスク
IMFが公表した世界経済見通し(4月時点)によれば、2017年の世界経済成長率が3.5%と1月時点の3.4%から引き上げた。トランプ新政権での米経済の加速期待に加え、中国、日欧の製造業や貿易の伸びも世界景気の回復を牽引する。
米国の見通しは2.3%に据え置きも財政出動や税制改革などに期待したい。日本は輸出が後押しし1.2%と上方修正され、中国は6.6%へ引き上げた。一方、米国の保護主義が景気加速を抑え、追加利上げも新興国から資金を流出させそうだ。また、欧州の政治や中東、北朝鮮の地政学リスクなどの影響にも留意したい。(袁)
【2017年の成長見通しを引き上げたが、リスクにも留意したい】
良好な金融大手決算と政策期待
米国の主要金融機関は、良好な2017/1-3期の決算を発表。6社の純収益は増加し、5社の調整後EPSが市場予想を上回った。トランプ相場の効果が反映されたほか、FRBの利上げも奏功し、大手金融各社の収益環境の改善が続いている模様。
大手銀行ではウェルズ・ファーゴ(WFC)が増益を確保したほか、JPモルガン(JPM)など大手3行は前年同期比2桁増益。投資銀行では投資銀行業務が好調なゴールドマン(GS)の利益がほぼ倍増、モルガン・スタンレー(MS)も大幅増益となった。足元の税制改革への期待、金利の上昇基調などから米金融機関の業績拡大が期待できよう。(袁)
【良好な主要金融機関の決算~政策期待で「トランプ相場」が続くか?】
ナスダックが最高値、ハイテク株に注目
ハイテク株の寄与度が高いナスダック総合指数は4/25時点の株価が6,025と最高値を更新し、史上初の6,000台を突破。時価総額上位のアップル(AAPL)、アマゾン(AMZN)、フェイスブック(FB)、マイクロソフト(MSFT)などの業績期待が高まり、牽引した。また、大幅な増収増益となった動画配信最大手のネットフリックス(NFLX)も買われ、指数に寄与した。
4/25時点、半導体企業の株価を反映するSOX指数は1,017と最高値を更新。世界半導体需要の拡大を背景に1-3月期で利益が市場予想を上回ったクアルコム(QCOM)、テキサス・インスツルメンツ(TXN)など半導体大手に注目したい。(袁)
【業績改善期待や好決算などから、ハイテク関連指数が強気】
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本レポートの作成者:公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員庵原浩樹
フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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