【弱まる年内利上げ見通し~ドル安、金利低下は米株のサポート要因だが!】
金属市況上昇で関連銘柄に注目
非鉄金属や貴金属の市況が上昇している。特に8月以降、上昇ピッチが強まった。FRBが利上げに慎重姿勢を示してドル安が進展したことや、米国の政治的な不安、地政学的リスクの高まりなどもあって、余剰資金が流入していることもあろう。
銅やニッケル、亜鉛などは、中国の需要拡大期待、ドル安による割安感などが市況を押し上げている面があるようだ。減産などもあって供給不足の見通しである。貴金属も米利上げ観測の後退、ドル安から堅調で金先物価格は1,300ドル/オンス台を回復。関連銘柄の株価も足元堅調で動向に注目したい。(庵原)
【利上げ観測後退、ドル安、中国の需要拡大期待が金属市況を押し上げ】
スマホ出荷再加速と関連銘柄!
米調査会社によれば、世界のスマホ出荷台数は好調が続き、2016年の14.7億台に対し2021年には17.3億台を予想。鈍化した出荷台数は再び加速する見通し。2017年のスマホの平均販売価格は前年比7%超の上昇を見込んでいる。
アンドロイドが市場シェアをほぼ独占し続ける見通しだが、アップル(AAPL)は出荷台数が2017年に前年比1.5%増と回復へ。また、9月に発売予定の新型iPhoneが寄与し、2018年の出荷台数を同9.1%増と予想。株価動向に注目したい。(庵原)
【世界のスマホ出荷は再び加速へ~アンドロイド独占もiOSの伸びも期待!】
個人消費は米経済成長のカギ
2017/2Q(4-6月)の米GDP成長率(速報値)は前期比2.6%増と市場予想の同2.7%増を下回ったが、1Qの同1.2%増から大幅に改善した。個人消費支出や企業設備投資は大きく回復し経済の成長に寄与した。
5、6月のISM製造業指数は2ヵ月連続で57.0を超えて約3年ぶりの高水準となり新規受注、生産など企業活動の回復を示した。GDPの7割を占める個人消費では4-6月は前年同期比2.8%増と大きく改善した。また、好調なミシガン大学消費者マインド指数が良好な消費意欲を示しており、9月の新学期商戦も更に個人消費を牽引すると見られる。(袁)
【2QのGDPが大幅に改善~好調な個人消費などが経済成長をけん引!】
ハイテク企業の業績拡大に期待
インフラ投資、法人税減税、金融規制緩和など主要政策の実行が懸念されており、インフラ株や金融株にマイナス材料だった。一方、ハイテクの株価は堅調でSOX指数やナスダックは年初来から大幅に上昇した。
8/25時点でS&P500構成企業の2017/2Qの増益率見通しはハイテクセクターが18.6%と変動の大きいエネルギーを除くベースで増益率が10業種のうちトップである。内訳では、ソフトウェア&サービスは2桁増益となるほか、半導体が前年同期比46.7%と寄与する見通し。9/12に新商品の発売が見込まれるアップル(AAPL)や「FANG」銘柄のほか、好業績を発表したテキサス・インスツルメンツ(TXN)などに注目したい。(袁)
AIスピーカーが急成長する見通し
アマゾン(AMZN)の「Amazon Echo」、アルファベット(GOOGL)の「Google Home」などAIスピーカーが注目されており、需要も拡大している。AIスピーカーは音声を識別し、瞬時に指令に反応できる。音楽再生の際に最も利用されており、ニュース、天気、交通など通知機能のほか、買い物などにも対応できる。
米調査会社Gatnerによれば、2020年のスマートスピーカー市場規模は2015年の5.8倍の21億USDと拡大する見通し。「Amazon Echo」と「Google Home」の市場シェアが高いが、今年発売予定のアップル(AAPL)の「Apple HomePod」のほか、中国勢と韓国勢にも注目したい。(袁)
【世界的に拡大が予想されるハイテク大手3社のAIスピーカー!】
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本レポートの作成者:公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員庵原浩樹
フィリップ証券リサーチ部アナリスト袁鳴
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