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2018/12期1Q(1-3月)は売上高が前年同期比39.8%増の16.47億USD、純利益が8,100万USDと前年同期の▲3,300万USDから黒字転換となった。調整後EPSは0.11USDと市場予想の0.09USDを上回った。コンシューマーPC向けデスクトップ・プロセッサーでの新製品の投入などにより、コンピューティング・グラフィックス事業の売上が大幅に増加。また、データセンター向けのプロセッサープラットフォームの導入が進んだことなども寄与した。利益率の高い製品の売上構成比が拡大したことにより、売上高総利益率は36%と前年同期から4%改善した。
事業セグメント別の概況は以下の通り。コンピューティング・グラフィック事業は、売上高が同94.6%増の11.15億USD、営業利益が1.38億USDと前年同期の▲2,100万USDから黒字転換。RadeonとRyzenが売上を牽引。「Zen」アーキテクチャベースのプロセッサーと、Radeonの「Vega」グラフィックスアーキテクチャーを1つのチップの上に組み合わせたRyzenデスクトップ向けAPUの発売などが寄与した。平均販売価格(ASP)は、クライアント・プロセッサー、GPUともに大幅上昇した。エンタープライズ・組み込み型・セミカスタム(EESC)事業は、売上高が同12.1%減の5.32億USD、営業利益が同74.5%減の1,400万USD。セミカスタムSoCの販売が減少したほか、前年同期に計上したライセンス収入の反動もあり減益となった。サーバー向けおよび組み込み型の販売は伸びており、Dell EMCがEPYCを搭載した新型プラットフォームを発売したほか、Yahoo JapanとPacketへの導入も決定した。その他事業は、営業利益が同▲3,200万USDと前年同期の▲2,300万USDから赤字幅拡大。
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2018/12期2Q(4-6月)会社計画は売上高が中央値で前年同期比50%増の16.75-17.75億USD、調整後売上高総利益率が37%。2018/12通期の市場予想は、売上高が前期比25.9%増の67.09億USD、純利益が同9.4倍の4.03億USD。インテルのクルザニッチCEOは、インテルは10nm量産で成果が出ていないがAMDのパートナーのTSMCは7nmで順調に進展しており、今年下期にAMDにサーバーシェアを奪われるとコメントした。
主要株主(2018/6) (%)
1.Vanguard Group Inc 10.32
2.ブラックロック6.16
3.ムバダラ開発公社5.87
(出所:Bloombergをもとにフィリップ証券作成)
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本レポートの作成者:公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員 庵原浩樹
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