豪ドル、0.78~0.79米ドルへの上昇より困難に 対中関係悪化で
豪中関係が一段と冷え込むなか、外国為替市場で豪ドルの上値が重い。対米ドル相場は0.78~0.79米ドルへの上昇がより困難になったとの声が聞かれる。
オーストラリアと中国の関係が一段と冷え込むなか、外国為替市場でオーストラリアドルの上値が重い。対米ドル相場は0.78~0.79米ドルへの上昇がより困難になったとの声が聞かれる。
日本時間7日午後5時減在、豪ドルは0.77米ドル台後半で推移している。
豪ドルの対米ドル相場は、6日正午前にそれまでの0.77米ドル台半ばから0.77米ドルちょうど付近まで急落した。中国国家発展改革委員会が、豪州との戦略経済対話に基づく一切の活動を無期限に停止すると発表したことを受けたもの。
これに先立つ4月、中国が主導する広域経済圏構想「一帯一路」に豪ビクトリア州が協力する内容の同州と中国発改委との協定と覚書を無効にすると豪州は発表していた。
豪紙フィナンシャル・レビューが7日、ウエストパック銀の分析として伝えたところによると、中国による最近の一連の関税導入の発表でもほとんど影響を受けなかった豪ドルが今回の発表後に急落した事実は、豪ドルが想像以上に脆弱である可能性を示唆している。
2020年4月に豪州が新型コロナウイルスの発生源を巡る独立調査を求めたこときっかけに豪中関係は悪化した。中国はその後、豪州産大麦やワインに高い輸入関税をかけるなど相次ぐ報復を打ち出してきた。
コモディティ価格が下支え
一方、豪ドルの下値はコモディティ(商品)価格の上昇により支えられている。
豪州の主産物である鉄鉱石の国際価格指数(米調査会社S&Pグローバル・プラッツ算出)は6日に1ドライメトリックトン(DMT)=200ドルを突破して最高値を更新した。
それでも商品の対中輸出を脅かすようなイベントは豪ドルにとって逆風になる。
ウエストパック銀によれば、商品価格が高い水準を維持していても、貿易面で苦悩を抱える状況下での豪ドルの持続的な上昇は難しい。現時点では豪ドルの0.78~0.79米ドルへの上昇はより困難になったとみられる。
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