テラ株、ピーク時の10分の1に コロナ薬治験の信憑性や監視委調査で
テラがコロナ治療薬の開発に乗り出すと発表してから1年が経過する。開発の進捗を発表する度に上昇した株価は現在、ピーク時の10分の1程度となっている。
医療ベンチャーのテラ<2191>が新型コロナ感染症向けの新薬開発に乗り出すと発表してから1年が経過する。開発の進捗を発表する度に上昇した株価は、治験を巡る信憑性や証券取引等監視委員会による調査などで現在、ピーク時の10分の1程度となっている。
20日の株式市場でテラは午後1時12分現在、前日比12円(4.67%)安の245円で推移している。
テラは東京大学医科学研究所を発祥とするバイオベンチャー。樹状細胞ワクチン療法を強みとする。2004年に設立され、09年にジャスダックに上昇した。
テラのコロナ治療薬事業をめぐる主な動きを以下にまとめた。
テラは昨年4月27日に先端医療支援事業を手掛けるセネジェニックス・ジャパンとコロナ薬開発に向けた共同研究契約を締結したと発表した。
その後、治療薬の開発場所にメキシコを選定したとし、進捗に関するリリースを次々に発表した。関連サイトには動画も投稿して注目を集めた。コロナ薬事業開始の発表の前は100円台だった同社の株価は6月に2175円を付けた。
同年9月に同国イダルゴ州で治療法が薬事承認されたと発表。ただ、国際的な治験データに記載はなく、発表を訝しむ声が広がった。
同年末の取締役会で、テラはメキシコの連結子会社の発行済み株式すべてをセネジェニックスに譲渡することを決議。同事業から事実上撤退した。一方、セネジェニックスは今年に入り、国内の事業所を閉鎖している。
先月8日、証券取引等監視委員会が金融商品取引法違反の疑いで調査を始めたことをテラは認めた。
一部メディアはこれに先立ち、テラとセネジェニックスによるメキシコでの治験開始の発表後のテラ株価の不自然な動きに関して、治験を巡り2社が不正を行った可能性があると監視委がみていると伝えていた。株価は同日、178円まで下げた。
一方、テラは先月30日の株主総会で、メキシコで治験は行われ、データも存在していると主張した。
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