コインベース株、足元から40%超上昇の可能性 手数料引き下げ懸念は行き過ぎ—調査
米暗号資産交換所のコインベースの株価は足元から40%超上昇する可能性がある。オッペンハイマーが分析した。業界標準よりも高い水準に設定されている手数料はサービスに見合ったもので、競争により引き下げられるとの懸念は誇張されているとの見方を示す。
米国最大規模の暗号資産(仮想通貨)交換所のコインベース・グローバル<COIN>の株価は足元から40%超上昇する可能性がある。オッペンハイマーが分析した。業界標準よりも高い水準に設定されている手数料はサービスに見合ったもので、競争により引き下げられるとの懸念は誇張されているとの見方を示す。
11日の米株式市場でコインベースは前日比9.55ドル(3.25%)高の303.00ドルで引けた。
オッペンハイマーは今週、「アウトパフォーム(買い)」の投資判断でコインベースの調査を開始した。目標株価は434ドルに設定。11日終値から43%のアップサイドとなる。
コインベースは収益の9割を売買の手数料に依存する。手数料率は米国内で1%台と他社よりも高い。弱気派は競争によりいずれ手数料の引き下げを余儀なくされると予想している。
オッペンハイマーは、手数料引き下げに対する懸念は誇張されていると指摘。コインベースは多角的な事業モデルを擁しており、サービスの模倣が容易な従来の交換所とは異なるとの見方を示した。
コインベースは暗号資産の交換業のほかにカストディー(保管)業も手掛けており、手数料はこうした包括的サービスを考慮に入れて設定されている。ハッキングや資産流出などのリスクがある暗号資産の保管は、株式などの証券よりも難しいとされる。さらに同社は最近、資産を預けてインカムゲインを得るステーキング・サービスを導入している。
イノベーションのプラットフォーム
オッペンハイマーは、コインベースはデジタル資産イノベーションのプラットフォームであり、単なる暗号資産の交換所ではないとしている。
最近の暗号資産価格のボラティリティの大きさや機関投資家による暗号資産の受け入れの増加、小口投資家の暗号資産製品への需要の高まりを考慮に入れれば、コインベースの利益は大幅なアップサイドが見込めるとし、現行の株価水準は魅力的なエントリーポイントになり得るとの見方を示した。
コインべースは4月14日に米ナスダック市場に上場。主要な米国の暗号資産交換所としては初の上場となった。初値は381ドルで、参考価格の250ドルを大きく上回り、同日に一時429ドルまで買われた。
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