原油価格、60ドル台は「泡立ち」状態との見方も
原油先物相場が在庫の減少などを背景に上昇している。WTI原油先物が1バレル=60ドルに接近するなか、足元のファンダメンタルズに鑑みれば、相場は泡立ちの状態にあるとの見方が出ている。
原油先物相場が在庫の減少などを背景に上昇している。ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油先物が1バレル=60ドルに接近するなか、足元のファンダメンタルズに鑑みれば、相場は泡立ちの状態にあるとの見方が出ている。
12日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)に上場するWTI原油先物の期近の3月限は前日比1.23ドル(2.1%)高の59.47ドルで取引を終えた。取引時間中に中心限月としては昨年1月以来の高値となる59.82ドルを付けている。
15日のアジアでの時間外取引では一時、60.95ドルまで上昇している。
KPMGのエネルギー市場専門家は11日にCNBCの番組で、WTI原油の適正水準は50ドル台前半とみており、60ドルに近い価格は泡立ちの状態にあるとみていると述べた。
その一方で、市場には前向きな兆候があるとも述べ、原油在庫が急速に減少しており、過去5年平均水準に近づいていると指摘した。
さらに、中国とインドで需要が改善しているとし、またワクチン接種の拡大とそれに伴う人々の移動の増加により、需要の増加が見込まれると語った。
サウジの自主減産終了か
一方、イラクのアブドルジャバル石油相は10日、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの主要産油国で構成する「OPECプラス」が3月の会合で現行の減産協定を維持する見通しと述べた。欧米メディアが伝えた。
また、サウジアラビアが自主的に実施している日量100万バレルの減産については、3月で終了する可能性があると同相は述べている。
在庫の減少
OPECプラスの合同技術委員会(JTC)は今月3日、先進国の原油在庫が6月までに過去5年平均を下回る水準まで減少するとの見通しを明らかにした。
また、米エネルギー情報局(EIA)が10日発表した週間石油在庫統計によると、米国の原油在庫は大幅に減少し、昨年3月以来の低い水準になった。減少は3週連続となる。
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