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米金利と原油先物価格の動きに注目 / ドル円とユーロドルのチャートポイント

サマリー:「パウエル氏のFRB議長再任で米金利が上昇。目先の焦点は原油先物価格と米金利の動き。今晩は10月PCEも米金利の変動要因となる可能性あり。ドル円とユーロドルのチャートポイントは?」詳細はマーケットレポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

米金利と原油先物価格

・インフレ、米金利、原油先物価格

23日の米債券市場で、長期金利は1.68%台まで上昇した。2年債や5年債の各利回りも上昇した。

パウエル氏がFRB議長に再任されたことで、金融政策の正常化プロセスが継続するとの思惑が米金利の上昇要因になっている、との指摘がある。この点を短期金融市場の動向で確認すると、来年6月の利上げ確率が70%前後まで上昇している。この状況を考えるならば、「パウエル続投=政策の継続期待」が米金利を押し上げている一因であると言える。

重要な点は、政策の継続期待を高めている要因がインフレにある、ということである。

そのインフレを左右する要因として、目先注目したいのが原油先物価格の動きである。現在の原油高に対応するため、米国や日本などが協調して石油の備蓄を放出する動きがある。これは一時的にせよ供給懸念の後退につながる要因だが、23日のNY原油先物価格(WTI)はむしろ上昇した。この動きに連動するようにアメリカの長期金利も上昇した。昨日の動きは、両市場の相関性の高さを示唆している。

石油の需給環境に大きな影響を与えているOPECプラスは、日米など主要国の石油備蓄の放出に「増産計画を再検討する可能性がある」と反発している。各国の利害が対立することで供給懸念が引き続き意識される場合、「原油高→インフレ懸念→米利上げ期待→米金利の上昇」という連鎖を意識しておきたい。

米長期金利とNY原油先物価格(WTI)のチャート

米長期金利とNY原油先物価格(WTI)のチャート

・米実質金利の縮小とその影響

アメリカ長期金利の上昇は、実質金利(5年/10年)のマイナス幅縮小を促している。

「原油高→インフレ懸念→米利上げ期待→米金利の上昇→実質金利のマイナス幅縮小」が続く場合、外為市場では米ドル高優勢の展開を常に意識したい。

一方、米国株にとっては、セクターによってその影響度合いが違ってこよう。金利の上昇(実質金利のマイナス幅縮小)は銀行株のサポート要因になる。

一方、グロース株-特に今まで米株高をけん引してきたハイテクグロース株にとっては重石(利益を確定する口実)となり得る。

米実質金利のチャート

米実質金利のチャート

ドル円とユーロドルのチャートポイント

・ドル円(USDJPY)

昨日のドル円(USDJPY)は、東京時間に115円台へ上昇した後、欧州時間で一時114.50レベルまで反落した。だがすぐに反発し、NY時間では115円台を維持する展開となった。この動きを考えるならば、ドル円の地合いは強い。よって、目先の焦点は新たなレジスタンスの水準を見極めることにある。

ドル円のトレンドは引き続き米金利の動きに左右されよう。その米金利のトレンドは、原油先物価格の動きに左右される可能性が高い。また、今日は10月個人消費支出(PCE)の内容で動く可能性がある。

米金利の上昇が続く場合、ドル円は昨日の高値115.18レベルを突破しよう。

次の焦点として注目したいのが、フィボナッチ・プロジェクション161.8%の水準115.60レベルである。この水準をも難なく突破する場合は、116円台を視野に上昇幅の拡大を想定したい。

一方、原油先物価格の反落やさえないPCEで米金利が低下する場合は、ドル円の反落を想定したい。このケースでは、昨日の反落を止めた114.48レベルの維持が焦点となろう。

114.48レベルを下方ブレイクする場合は、短期的に21日線(SMA、114.03レベル)および短期サポートライン(今日現在113.50レベル)の維持が焦点として浮上しよう。

ドル円のチャート

ドル円のチャート

・ユーロドル(EURUSD)

昨日のユーロドル(EURUSD)は、安値1.1224レベルまで下落するも陽線で引けた。米独の長期金利格差が縮小したことが影響した可能性があるが、金融政策の正常化を推し進めていくパウエルFRBと金融緩和政策を維持するラガルドECB、というスタンスの違いを考えるならば、ユーロドルの焦点は1.1200トライおよびブレイクにある。

1.11台の攻防へシフトする場合、短期的にフィボナッチ・プロジェクション161.8%の水準1.107レベルまでの下落を想定しておきたい。

しかし、一方向に振れ続ける相場はない。よって、下落トレンドの過程では、調整のユーロ買い/米ドル売りが見られよう。この局面では、1.13台への反発が目先の焦点となろう。テクニカル面では、1.1330レベルまで低下している10日線(EMA)のトライおよび突破に注目したい。

10日線を上方ブレイクする場合、次は1.1370レベルの攻防が焦点となろう。先週の18-19日に、この水準で相場の戻りが止められた経緯がある。

ユーロドルのチャート

ユーロドルのチャート

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