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景気後退の懸念と欧州通貨の短期的展望 / ユーロドルとポンドドルのチャートポイント

米国の債券市場と国際商品市場は将来の景気後退を意識する展開に。外為市場では欧州通貨売りの圧力が高まる展開となっている。ユーロドルとポンドドルの短期的な焦点は?そして注目のチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

景気後退の懸念と欧州通貨の短期的展望


【サマリー】
・高まる景気後退の懸念
・欧州通貨は新たなレンジの攻防へシフト
・ユーロドルは次のサポートポイントを見極める局面へ
・ポンドドルは節目の1.20と2つの移動平均線の攻防が焦点に


・米債市場と原油先物相場は景気後退を意識する動き

5日の米国債券市場(以下米債市場)では、各年限の利回りが低下した。

将来の景気動向を反映する長期債利回り(10年債利回り)は、一時2.8%の水準を下抜ける局面が見られた。6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)以降、長期債利回りの低下トレンドが続いている状況は、連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締め政策が景気後退を招く可能性について米債市場の参加者が強く意識していることを示唆している。

それは、米債市場だけでなない。国際商品市場のトレンドを示すCRB指数は完全に低下のトレンドへ転じている(下落が1ヶ月間続いている)。

より注目すべきは、高インフレの主因となっている原油先物価格の動きである。昨日のNY原油先物価格(WTI)は節目の100ドルをあっさりと割り込み、97.46レベルまで急落する局面が見られた。北海ブレント原油の先物価格(BRENT)も8%近く急落した。

そして米国の株式市場では、今年前半に「セーフヘイブン」の位置づけだったエネルギーセクターが最も下落した(4%超の下落)。これらの動向は、米国や世界の景気が後退する可能性を意識する動きである。

米長期債利回りとNY原油先物価格の推移

米長期債利回りとNY原油先物価格の推移 TradingView 5分足(昨日15時以降)


・景気後退懸念と欧州通貨の下落

将来の景気後退に対する懸念の高まりは、欧州通貨の売り要因である。事実5日の海外外為市場では、欧州通貨が急落した。

ユーロドル(EURUSD)は、このレポートで指摘した重要サポートポイント1.03ミドルの水準を大陰線であっさり下方ブレイクすると、安値1.0235レベルまで急落する局面が見られた。
フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準(1.0287レベル)をも下方ブレイクした状況やリスクリバーサル(1ヶ月)でユーロ・プットに傾く動きが見られることも考えるならば、目先のユーロドルの焦点は、新たなサポートポイントを見極めることにあろう。

この点は、ポンドドル(GBPUSD)も同じである。

昨日は大陰線により、2020年3月以来となる節目の1.20レベルを下方ブレイクする展開となった。そして年初来安値を更新した。ひとまず安値1.1898レベルで下げ止まったが、ユーロ相場と同じくポンド相場のメインテーマも、5月の金融政策委員会(MPC)以降、将来の景気後退の方へシフトしている。

リスク資産価格の下落による米ドル高の圧力も高まりやすい状況にある。欧州通貨を取り巻く状況を総合的に考えるならば、昨日の安値を更新する展開を常に意識しておきたい。

欧州通貨のチャート

欧州通貨のチャート TradingView 日足(今年6月以降)

ユーロドルの焦点とチャートポイント

・次のサポートポイントを見極める局面

重要サポートポイント(1.03ミドル)を下方ブレイクしたユーロドル(EURUSD)の新たな焦点は、次のサポートポイントを見極めることにある。

フィボナッチ・プロジェクションでそのポイントを探ると、100.0%の水準1.0187レベルが候補のひとつとして浮上する。昨日の安値1.0235レベルを下抜ける場合は1.02の下方ブレイク、および1.0187レベルをトライするシグナルと想定しておきたい。

今日以降、ユーロドルの下落要因として注目したいのが、米国の経済指標である。今日は6月のISM非製造業景況指数と5月JOLT求人件数が発表される。総じて良好な内容が確認される場合は、米欧の景気後退の度合いと金融引き締めペース、両方の差が外為市場で意識される可能性がある。この場合、ユーロドルは昨日の安値1.0235を下方ブレイクし、新たなサポートポイントを探る展開になると予想する。

・1.03ミドルの攻防

一方、ユーロドル(EURUSD)が反発する場合、目先の焦点は1.03台の回復と1.0350レベルの攻防となろう。特に後者の水準(1.0350レベル)での動きは、今後のトレンドに大きな影響を与える可能性が高い。この水準が、サポートポイントからレジスタンスポイントへ転換する場合、市場参加者にユーロドルの地合いの弱さを強く印象付けよう。

逆にユーロドルが1.0350を完全に上方ブレイクする場合は、1.04レベルもしくは昨日の相場の戻りを止めた10日移動平均線(EMA)まで、ユーロの買戻し(米ドル高の調整)が進む展開を想定しておきたい。

ユーロドルのチャート

ユーロドルのチャート TradingView 日足(今年5月下旬以降)

ポンドドルの焦点とチャートポイント

・1.20レベルと移動平均線の攻防

ユーロドル(EURUSD)と同じく、ポンドドル(GBPUSD)も下値トライを意識するトレンドが続こう。

目先の焦点は1.20の攻防である。この水準がレジスタンスポイントとして相場の戻りを止める場合は、ポンドドルの下落幅が拡大するシグナルとなり得る。

テクニカルの面では、21日移動平均線(EMA)と10日移動平均線(EMA)での反落も、ポンドドルの下落トレンドが継続するシグナルとなろう。現状、レジスタンスラインの水準は21日線から10日線へシフトしている。そしてトレンドの勢いを示すADXは上昇基調にあり、-DIと+DIのかい離が拡大傾向にある。これらの動きは、現在のポンドドルの地合いの弱さを示唆している。


・1.18台の維持

上で指摘した水準やテクニカルラインでポンドドル(GBPUSD)の戻りが止められる場合は、下値トライを想定したい。

目先の焦点は、1.18台の維持である。昨日は安値1.1898レベルで反転したが、DMIとADXのトレンドを考えるならば、さらなる下値トライを警戒しておきたい。

ポンドドルの下落幅が拡大し、フィボナッチ・プロジェクション76.4%の水準1.1846レベルをも難なく下方ブレイクする場合は、1.1800のトライを想定したい。

ポンドドルのチャート

ポンドドルのチャート TradingView 日足(今年5月下旬以降)

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