アルファベット、株価5%超上昇 好決算発表 AIブームに強気見通し
アルファベットの7-9月期決算は総収入と利益で成長が加速する好決算。AIブーム継続への自信を裏付け、時間外取引で株価は上昇した。
アルファベットが29日の取引時間終了後に発表した2024年7-9月期決算は人工知能(AI)ブーム継続への自信を感じさせる好決算だった。総収入でも利益でも伸び率が4-6月期から加速しており、AIサービスの提供基盤となっているクラウド事業が成長を牽引している。アルファベットの株価は29日の時間外取引で5%超値上がりし、他の大手ハイテク企業の株価にも波及した。一方、収益悪化要因として懸念されている設備投資について、アルファベットは2025年も増えるとの見通しを示しているが、利益面の好調さもあって投資家の不安拡大にはつながっていない。
アルファベットの2024年7-9月期決算は総収入と利益の成長が加速
アルファベットの7-9月期決算は総収入が前年同期比15.1%増の882.68億ドル。4-6月期の13.6%増から成長が加速したうえ、ブルームバーグがまとめた直前の市場予想の864.51億ドルも上回った。また1株当たり利益は36.8%増の2.12ドルで、こちらも4-6月期の31.3%増から加速。直前の市場予想の1.84ドルを超えた。
クラウド事業は35%の成長 AIブームの見通しに明るさ
アルファベットの成長を牽引したのはクラウド事業だ。クラウド事業の7-9月期の収入は113.53億ドルで、前年同期比35.0%の成長。4-6月期の28.8%成長から加速した。一方、大黒柱である広告事業の成長率は10.4%で、4-6月期(11.1%)から減速している。クラウド事業は規模の面では広告事業の2割に満たないが、成長性の高さをみせつけた形だ。スンダー・ピチャイCEOは29日の決算会見でクラウド事業の勢いが増してきたとし、「消費者が生成系AIを気に入るようになり、事業機会が増えてきている」と述べた。
アルファベットの株価は上昇 設備投資増加見通しも足を引っ張らず
こうした好決算を受けて、アルファベットの株価(GOOGL)は29日の時間外取引を181ドル程度で終えた。29日終値(171.14ドル)との比較では5%超の上昇だ。アルファベットが示したAIサービスへの自信は他の大手ハイテク株の見通しも明るくしたようで、マイクロソフト(MSFT)やアマゾン・コム(AMZN)の株価も、時間外取引で終値から1%超値上がりしている。メタ・プラットフォームズ(META)は2%超の上昇となった。
一方、アルファベットは利益圧迫要因と目される巨額の設備投資については継続する方針だ。7月31日に就任したアナト・アシュケナージCFOは決算会見で、10-12月期の設備投資は7-9月期と同じ130億ドル程度になるとの見通しを示した。2025年についても「増加を見越している」と述べている。
ただ、アルファベットの営業利益率は7-9月期に32.31%となり、4-6月期(32.36%)からほぼ横ばい。足元では収益性悪化に対する懸念は高まっていない。アシュケナージ氏は決算会見で経営の効率性を高めることの重要性も強調しており、投資家からは歓迎されているようだ。
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