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アルファベット、クラウド減速見通し 4日決算 中国AIで株価は下落

アルファベットは2月4日に10-12月期決算を発表。クラウド事業の成長鈍化が予想されており、中国発AIをめぐる環境変化への対応も注目される。

アルファベット、クラウド減速見通し 4日決算 中国AIで株価は下落 出所:ブルームバーグ

アルファベットが2月4日に発表する2024年10-12月期決算は、クラウド事業の収入の伸びが鈍化すると予想されている。アルファベットは同時に、人工知能(AI)サービスのための設備投資を2025年に加速させることも改めて表明する見通し。AIサービスを収益源とするクラウド事業の成長鈍化と設備投資負担の増加が同時に示されれば、株価下落につながる可能性がありそうだ。アメリカの株式市場では中国発のAI開発企業「DeepSeek(ディープシーク)」が低コストで高性能のAIを開発したとのニュースが投資家心理を揺らしており、アルファベットの株価の今後の見通しには不安も漂う。

アルファベットの2024年10-12月期決算は総収入が11.9%増の見通し

アルファベットは米国東部時間の4日午後4時30分(日本時間5日午前6時30分)に決算会見を開く。ブルームバーグのまとめによると、アルファベットの10-12月期決算に関する事前予想では、総収入は前年同期比11.9%増の965.96億ドル、1株当たり利益(EPS)は29.9%増の2.13ドルになる見通しだ。予想通りになれば、総収入は前期(7-9月期)の15.1%増から成長が鈍化する。1株当たり利益(EPS)もやはり、伸び率が前期(36.8%増)よりも小さくなる。アルファベットは直近19回の四半期決算のうち、2回で総収入が市場予想を下回った。1株当たり利益では4回で予想を超えられなかった。

アルファベットの業績(総収入、1株当たり利益)の推移のグラフ

アルファベットの株価は2024年に35.51%高 2年連続で高い上昇率

アルファベットの株価(GOOGL)は2024年に35.51%高となり、S&P500種株価指数(SPX)の23.31%高を上回った。アルファベット株は2023年も58.32%高となっており、2年連続で高い上昇率を記録したといえる。4月25日の1-3月期決算発表に際して初の配当実施を発表したことや、10月29日の前回(7-9月期)決算発表でクラウド事業の成長が加速したことなどが好材料となった。2025年1月27日の終値は191.81ドルで2024年末比で1.33%高だ。

ブルームバーグによると、アルファベットの直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は27日時点で約21倍で、前回決算発表当日の20倍程度とほぼ同じ水準だ。アナリストが提示する目標株価の平均は約217ドルで、現状よりも13%ほど高い。74人のアナリストのうち60人は買いを推奨。14人は維持を勧めている。

アルファベットの株価と予想株価収益率(PER)の推移のグラフ

アルファベットのクラウド事業は成長減速見通し 広告事業も伸び率低下予想

アルファベットの10-12月期の総収入の伸びが減速するとみられる背景には、クラウド事業の成長鈍化見通しがある。ブルームバーグのまとめによると、クラウド事業の収入は121.76億ドルで前年同期比32.5%増になる見通し。3割増の高水準とはいえ、前四半期の35.0%からは減速する形だ。またアルファベットの主力事業である広告事業についても、10-12月期は9.5%増となり、前四半期(10.4%増)から減速するとみられている。

アルファベットの広告事業とクラウド事業の収入の推移のグラフ

2025年の設備投資額が2024年よりも増加する見通し DeepSeekへの対応は?

アルファベットの成長が鈍化した場合、株式市場では巨額の設備投資への不満が高まる可能性がある。アルファベットは10-12月期の設備投資額について7-9月期と同じ程度とみており、2024年通期での設備投資額は約512億ドルになる見通し。前年比では6割近い増加となる計算だ。アナト・アシュケナージCFOは10月の決算会見で2025年についても「増加を見越している」と述べており、4日の決算会見で具体的な水準が示されれば、株価の下落要因となることも考えられそうだ。

アルファベットの設備投資額と総収入の推移のグラフ

アルファベットの株価の今後の見通しは、AI開発をめぐる環境の変化にどう対応するでも左右される可能性がある。中国のディープシークが高性能AIを低コストで開発したと公表していることが話題となっているためだ。27日の株式市場では半導体大手のNVIDIA(エヌビディア)の株価(NVDA)が前週末比17%安になるなどの波乱を呼び、アルファベットの株価も4.20%安となった。2月4日の決算会見ではスンダー・ピチャイCEOがAI事業の戦略について投資家を納得させられるかが注目されそうだ。


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