マイクロソフト、クラウド成長見通しカギ 25日決算 株価は横ばい
マイクロソフトの2024年1-3月期決算発表では4-6月期のクラウド事業の見通しが焦点。ただし投資家の期待は高く、下落のきっかけになる可能性も。
マイクロソフトが25日の取引時間終了後に発表する2024年1-3月期決算は、人工知能(AI)サービスの提供基盤であるクラウド事業の成長性の見通しが焦点だ。マイクロソフトがAIサービスの本格普及への期待を高めることができれば、停滞が続いている株価上昇が再加速する可能性もありそうだ。一方、米国経済の先行き不透明感が強まる中、企業がAIサービスの導入に及び腰になっている状況が感じられれば、マイクロソフトの株価に下落圧力かかることも考えられる。
マイクロソフトの2024年1-3月期決算は15%増収の見通し
マイクロソフトはアメリカ東部時間25日午後5時30分(日本時間26日午前6時30分)から決算会見を開く。LSEGのデータによると、マイクロソフトの1-3月期決算に関する事前予想は、総収入が前年同期比15.0%増の607.72億ドルの見通し。1株当たり利益(EPS)は15.1%増の2.82ドルが見込まれている。マイクロソフトの過去18回の四半期決算のうち、総収入が事前予想を超えられなかったのは2回。1株当たり利益も同じタイミングで事前予想を下回っている。
LSEGのデータによると、マイクロソフトの株価(MSFT)は2022年に28.69%下落。その後、2023年は56.80%上昇した。17日の終値は411.84ドルで、2023年末比での伸び率は9.52%。ただ、前回の10-12月期決算発表直前から約3か月間での上昇率は0.80%でしかなく、株価はほぼ横ばいが続いている形だ。
LSEGによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は31.50倍で、前回の決算発表直前の水準(32.33倍)とほぼ同じ。クラウド事業で競合するアマゾン・コム(AMZN)の40.17倍よりは割安といえる。一方、同じくクラウド事業でのライバルにあたるアルファベット(GOOGL)の21.68倍よりは割高だ。アナリストが提示する目標株価の平均は462.54ドルで、足元の株価よりも12%ほど高い。4月に入ってからは目標株価を500ドル台に引き上げる動きも出ている。58人のアナリストのうち23人は強い買い、32人は買いを推奨。3人は維持を勧めている。
マイクロソフトの株価は前回決算発表後に下落
マイクロソフトは10-12月期決算で総収入と1株利益がともに市場予想を超え、伸び率は7-9月期から加速したが、時間外取引で株価は下落。決算会見の中で示された1-3月期のクラウド事業の収入の見通しが市場予想を超えたことは好感されたものの、翌日(1月31日)の株価は前日比2.69%安という冴えない結果だった。
LSEGのまとめでは、1-3月期のクラウド事業の収入はマイクロソフトの見通しに沿った262.38億ドルの予想。さらに4-6月期については284.73億ドルが見込まれている。マイクロソフトの株価が勢いづくには、25日の決算発表でこれらの数字をクリアすることが最低条件となりそうだ。
一方、このところの米国の金融市場では物価上昇率の高止まりが米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げを難しくしていることが意識され、経済の先行き不透明感は強まっている。マイクロソフトの決算の中で、クラウドサービスの顧客である世界各国の企業がAIサービスの導入にコストをかけることをためらう状況が感じられれば、株価にとっては逆風になりそうだ。
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