マイクロソフト、好決算も株価伸びず 一時3%安 強気見通しも反応薄
マイクロソフトの10-12月期決算はクラウド事業の伸びが市場予想超え。見通しも強気だったが、株価の反応は冴えなかった。
マイクロソフトが30日の取引時間終了後に発表した2023年10-12月期決算は市場予想を超える好決算だった。注目されたクラウド事業収入の伸び率も7-9月期を上回り、人工知能(AI)サービスを強化するマイクロソフトの成長性を裏付けた。しかし株式市場の反応は冴えず、時間外取引では株価が一時、直前の終値から約3%安まで下落。決算会見で示された2024年1-3月期の見通しが市場予想を超えたことで株価は買い戻されたが、投資家の期待が高まるなかでマイクロソフト株(MSFT)の上昇の難易度も高まっているようだ。
マイクロソフトの10-12月期はクラウドの成長率が予想超え
マイクロソフトの10-12月期決算は総収入が前年同期比17.6%増の620.20億ドル、1株当たり利益(EPS)が33.2%増の2.93ドルだった。直前の市場予想は総収入が611.19億ドル、1株当たり利益が2.76ドル。発表された結果はいずれも予想を超え、好決算だったといえる。10月に発表されたゲームソフト大手アクティビジョン・ブリザードの買収で、21億ドルの増収効果があり、総収入の伸び率が4%ポイント押し上げられた。
またAIサービスの提供基盤となっているクラウド事業の収入は258.80億ドル。前年同期比の伸び率は20.3%増で、7-9月期の成長率(19.4%)を上回った。収入は市場予想の252.71億ドルも上回っており、マイクロソフトはクラウド事業の成長性を改めて示した形となった。
マイクロソフトはクラウド事業の見通しについても強気だ。エイミー・フッドCFOは決算会見で、クラウド事業の1-3月期の収入が260億-263億ドルになるとの見通しを示した。市場予想の約259億ドルを上回る見通しで、前年同期比では17.7-19.1%増にあたる。サティヤ・ナデラCEOは決算会見で、「AIについて語る段階から、AIを大規模に導入する段階に移った」と述べ、AIサービスの拡大に自信を示した。
マイクロソフトの株価は時間外取引で下落
ただ、マイクロソフト株は決算発表直後から急落。一時、396ドル台をつけ、30日の終値(408.59ドル)からの下落率が約3%に達した。決算発表から約1時間30分後に始まった決算会見の中で、クラウド事業に関する見通しが示されるなどしたため株価は410ドル程度まで買い戻されたが、勢いは続かず、その後は405ドル台で推移している。
マイクロソフトはAIの本格普及に向けて、15日に個人向けの有料業務支援サービス「コパイロット・プロ」の提供を発表するなど、AIサービスの拡充に乗り出している。投資家のマイクロソフトへの期待は、株価を30日終値段階で2023年末比8.66%高まで押し上げてきたが、さらなる上昇へのハードルは高いともいえそうだ。
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