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マイクロソフト、クラウドの勢い示せるか 25日決算発表 AI強化

マイクロソフトが25日に発表する4-6月期決算はクラウド事業が焦点。AIサービスとの連携で高い成長性を示せるか。

出所:ブルームバーグ

マイクロソフトが25日に発表する2023年4-6月期決算はクラウド事業の勢いが注目される。クラウド事業の成長率は1-3月期まで4四半期連続で減速。マイクロソフトはクラウドサービスをベースにして顧客のAI活用を支援するサービスに力を入れて、成長性の復活を図っている。4-6月期決算の事前予想ではクラウド事業の成長率は1-3月期を下回る見込みだが、実際の決算発表でこうした控えめな期待を上回ることができれば、株価にとっては前向きな材料となりそうだ。

マイクロソフトの2023年4-6月期決算は増収増益の見通し

マイクロソフトは25日の取引時間終了後に4-6月期決算を発表する。決算会見は25日午後5時30分(日本時間26日午前6時30分)に予定されている。金融情報会社リフィニティブのデータによると、マイクロソフトの4-6月期決算に関する事前予想は総収入が前年同期比6.9%増の554.6億ドル、1株当たり利益は14.3%増の2.55ドルと見込まれている。マイクロソフトの過去15回の決算発表で、総収入が事前予想を下回ったのは2022年の4-6月期と10-12月期の2回。1株当たり利益でも同じタイミングで事前予想を下回っている。

マイクロソフトの業績(総収入、1株当たり利益)の推移

マイクロソフトの株価(MSFT)は2022年の1年間で約28%下落したが、2023年に入ってからは株価の伸びが勢いづいている。17日の終値は345.73ドルで、2022年末比で44.2%高だ。S&P500種株価指数(SPX)の約18%や、ナスダック総合指数の約36.1%を上回っているが、「ビッグ・セブン」や「マグニフィセント・セブン」とも呼ばれる半導体大手のNVIDA(エヌビディア、NVDA)など7大銘柄の中での比較では、上昇率はアルファベットに次いで低い。

米国の7大銘柄の株価動向

リフィニティブによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は31.1倍。7大銘柄の一角で、クラウド事業で競合するアマゾン・コム(61.7倍、AMZN)よりは大きく割安で、コンピューターの基本ソフトでライバル関係にあるアップル(29.9倍、AAPL)とは、ほぼ同じ水準といえる。アナリストが提示する目標株価の平均は352.19ドルで、現状の株価と近い。ただし7月に入ってからは400ドル前後への引き上げが目立っている。53人のうち19人が強い買い、27人が買いを推奨している。6人は維持を勧め、強い売りを推奨するアナリストも1人いる。

成長鈍化のクラウド事業をAIで再生図る

マイクロソフトの4-6月期決算で注目されるのはクラウド事業の成長だ。クラウド事業は新型コロナウイルス禍の中で前年同期比30%超の伸びを記録したこともあったが、2022年4-6月期に20.3%に落ち込んでからは4四半期連続で、伸び率が鈍化してきた。ロシアのウクライナ侵攻を機に世界経済の先行き不透明感が強まる中で、企業がクラウドサービスへの支出を控えるようになったことなどが背景にある。マイクロソフトは4月の決算会見でクラウド向け支出について「幾分慎重な状態が続いている」と説明していた。

マイクロソフトのクラウド事業の収入の推移

それでもクラウド事業に注目が集まるのは、マイクロソフトがクラウドサービスの「Azure(アジュール)」を舞台として、AI関連サービスの展開を図っているからだ。アジュールの利用者がAI開発のためのシステムを利用できるなどするサービス体制を整え、クラウド事業の収益力を高める戦略だ。また、マイクロソフトは対話型AIサービス「ChatGPT」で知られるOpenAIに出資しており、サティア・ナデラCEOは「新しいAIの波に乗って先頭を行くための投資を続ける」としている。

ただ、4-6月期決算のクラウド事業の成長率に関する事前予想は13.6%で、1-3月期の16.3%からさらに減速するとみられている。AIサービスへの期待は2022年11月のChatGPTの公開で一気に過熱した面があるうえ、アマゾンやアルファベット(GOOGL)との競合も激しく、投資家はマイクロソフトのAIサービスの成否を慎重に見極めようとしているようだ。こうした中でマイクロソフトがAI主導でのクラウド事業の高成長を示すことができれば、投資家の期待が大きく膨らむ可能性もありえる。


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