アルファベット株が一時8%安 広告に失望感 クラウド好調もコスト増
アルファベットの10-12月期決算は広告収入が予想を割りこみ、株価は急落。AIサービスの競争激化も不安材料だ。
グーグルなどを傘下に持つアルファベットが30日の取引時間終了後に発表した2023年10-12月期決算は投資家の高い期待に応えられなかった。収入の7割超を稼ぐ広告事業の収入が予想を下回ったことが嫌気され、アルファベットの株価(GOOGL)は時間外取引で一時8%下落する場面もあった。注目されたクラウド事業の伸び率は予想を超えたものの、2024年は設備投資が大きくなることも予告しており、人工知能(AI)サービスの競争の激しさもうかがわせている。
アルファベットの10-12月期決算は広告収入が予想割れ
アルファベットの10-12月期決算は総収入が前年同期比13.5%増の863.10億ドル、1株当たり利益(EPS)が56.2%増の1.64ドルだった。LSEGによると、直前の市場予想は総収入が853.32億ドル、1株当たり利益が1.59ドル。発表された数字はいずれも予想を上回る結果で好決算だったといえる。
しかし10-12月期決算では総収入の約4分の3を占める広告事業に注目が集まった。広告事業の収入は655.17億ドル。伸び率は前年同期比11.0%増で、7-9月期の9.5%から成長が加速している。ただ、投資家が見込んでいた658.84億ドルは下回る結果で悪材料だと受け止められた。
こうした決算を受けて、アルファベットの株価は時間外取引で一時、140ドル台後半まで下落。30日終値(153.05ドル)からの下落率は約8%に達した。その後は買い戻しも入ったが、安値圏で取引を終えている。
一方、AIサービスの提供基盤として成長が期待されているクラウド事業は投資家の期待を上回った。収入は前年同期比25.7%増の91.92億ドルで、市場予想の89.35億ドルを超える結果。7-9月期の成長率(22.5%)からも勢いが増している。スンダー・ピチャイCEOは決算会見で「クラウドの成長は加速している」と自信をみせた。
2024年の設備投資は「著しく大きくなる」と予告
とはいえクラウド事業の成長の裏側にはコスト増の可能性も潜んでいるようだ。10-12月期の設備投資費用は110.19億ドルで、前年同期から約45%増加。ルース・ポラットCFOは決算会見で設備投資費用の増加は、アルファベットの顧客のためにAIを届けるという意思の表れだとし、「2024年の設備投資費用は2023年よりも著しく大きくなる」との見通しを示した。
クラウド事業を通じたAIサービスの提供はマイクロソフト(MSFT)やアマゾン・コム(AMZN)も力を入れており、アルファベットは規模で見劣りしている。競合を勝ち抜くためのコスト増は今後、アルファベットの収益性への悪材料として意識される場面も出てきそうだ。
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