豪ドル乱高下 中国経済期待で一時97円台 RBA利下げ見通しは拡大
豪ドル円相場は9日、97円台後半まで2円以上の豪ドル高が進行。10日は96円台半ばまで戻した。中国経済とRBAをめぐる思惑が相場を揺らしている。
豪ドル円相場が乱高下に見舞われた。9日の取引では1豪ドル=95円台後半から97円台後半まで豪ドル高が進行。しかし10日には再び豪ドルが売られ、96円台半ばまで戻している。9日は中国が2025年の景気刺激策を強化するとの見通しが豪ドル高材料となったが、10日にはオーストラリア準備銀行(RBA)が2025年2月の理事会で利下げに踏み切るとの観測が豪ドル安要因となった。FX市場では日本銀行の12月利上げをめぐる思惑がドル円相場を揺らしていることもあり、豪ドル円相場の今後の値動きも方向性に欠ける可能性がある。
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豪ドル円相場は一時97.80円 中国の景気刺激策期待で豪ドル高
豪ドル円相場(AUD/JPY)は9日の取引で一時、1豪ドル=97.80円をつけた。日本時間9日午前は95円台後半での値動きだったが、午後4時すぎに中国共産党の中央政治局会議の内容が伝わると、一気に豪ドル高の流れが強まった。新華社通信によると、会議では2025年の経済政策について、「より積極的な財政政策と適度に緩和的な金融政策」の実行を促す方針が確認されたという。
このところの豪ドル円相場では、アメリカのドナルド・トランプ次期大統領が繰り出す中国との対決姿勢が豪ドル安要因として働いてきた。オーストラリアとの結びつきが強い中国経済の成長鈍化は、オーストラリアの輸出悪化などを引き起こして経済活動を弱めるとみられているからだ。それだけに中国が景気刺激策を強めるとの見通しは、豪ドル高を引き起こす効果が大きかったようだ。
オーストラリア中銀の利下げ見通し強まる 物価上昇率低下に「いくらかの確信」
ただ、豪ドル高の勢いは長くは続かず、10日の取引では1豪ドル=96.46円をつける場面もあった。RBAが日本時間午前12時30分に発表した理事会の決定内容を受けて、RBAが2025年2月の理事会で利下げに踏み切るとの見通しが強まったからだ。ブルームバーグによると、2月利下げについて投資家の動向から算出される確率は日本時間の午後3時すぎには70%まで高まり、朝方の50%程度から大きく上昇した。
RBAは10日までの理事会で9会合連続での政策金利維持を決めると同時に、声明文では「物価上昇率が持続的に目標範囲に向かっていくことにいくらかの確信を得つつある」とも言及。金融政策の見通しについては11月の声明文まで使われていた、利上げと利下げの双方を排除しないとの文言は削除された。ミシェル・ブロック総裁は10日の記者会見で2月利下げの可能性について言及を避けたが、RBAは利下げへ軸足を移しつつあるようだ。
ドル円相場では円安進行 日銀の利上げ見通しが後退
また、豪ドル円相場での豪ドル高の半面には、ドル円相場(USD/JPY)での円安進行という要素もある。ドル円相場は日本時間10日の取引では一時、1ドル=151.55円をつけ、6日につけた149.37円から2円以上の円安が進んだ。日銀の18、19日の金融政策決定会合での利上げ見通しが後退したことが背景になっている。ブルームバーグによると、金融市場で見積もられている利上げ確率は日本時間10日午後4時段階で26%程度。6日段階での61%程度から大きく低下した。
FX市場では日銀の決定会合が近づく中で市場参加者の思惑による値動きも目立つ。豪ドル円相場の今後の見通しでも、神経質な値動きが出ることが考えられそうだ。
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