豪ドル安進むか 8日にCPI オーストラリアの物価見通しに変化は?
豪ドル円相場は98円台前半で推移。8日発表のオーストラリアの11月CPIが予想通りなら、引き続き豪ドル安の流れが意識されそうだ。
豪ドル円相場は2024年12月下旬からの横ばい傾向が続いている。年明け1月6日の東京市場では1豪ドル=98円台で取引され、日本銀行の利上げ期待が後退した12月19日以降、大きな流れは起きていない。こうした中、8日に発表されるオーストラリアの11月の消費者物価指数(CPI)は総合指数の伸び率が前月よりもわずかに高くなると予想されている。ただ、予想通りの結果であれば、金融市場で有力視されているオーストラリア準備銀行(RBA)の2月理事会での利下げ見通しは揺らがないとみられ、豪ドル安材料として意識される可能性もありそうだ。
豪ドル円は98円台前半で推移 日銀の利上げ姿勢後退後に大きな動きはなし
豪ドル円相場(AUD/JPY)は日本時間6日午前の取引で1豪ドル=98円台前半で推移している。ブルームバーグによると、日銀の植田和男総裁が金融政策決定会合後の記者会見で利上げへの慎重姿勢を強めた12月19日には98.74円まで豪ドル高が進む場面もあったが、その後は97円台前半から98円台後半の間での値動きが続いている。
豪ドルは対ドル相場(AUD/USD)でみてもほぼ横ばいで、6日の水準は12月19日終値から0.2%安程度だ。
オーストラリアの11月CPIは総合指数の伸びがわずかに加速の見通し
こうした中、オーストラリア統計局が8日午前11時30分(日本時間8日午前9時30分)に発表する11月CPIは豪ドル相場の見通しを左右する可能性がある。ブルームバーグがまとめた市場予想では総合指数の伸び率は前年同月比2.2%で、10月の2.1%から物価上昇がわずかに加速する形だ。
ただ、オーストラリアの中央銀行であるRBAは四半期ベースでの物価上昇率を注視しており、11月CPIが予想通りの結果であれば物価上昇の動向に関する見通しを大きく変えない可能性がある。RBAは12月10日までの理事会で9会合連続で政策金利を維持しつつ、声明文では物価上昇率が目標とする2-3%の範囲に向かっていくことへの自信を強め、利下げを見据える姿勢を示唆していた。オーストラリア統計局は29日に10-12月期のCPIを発表する。
オーストラリア中銀は2月に利下げか 2025年中は3回利下げの見通し
こうした中、金融市場ではRBAが2月17、18日の理事会で利下げに踏み切るとの見通しが有力だ。ブルームバーグによると、2月理事会での利下げについて投資家の動向から算出される確率は、日本時間1月6日午前11時30分段階で68%となっている。2025年中の利下げ回数は3回とみられており、豪ドル安圧力が徐々に強まることも考えられそうだ。
一方、11月CPIの伸び率が予想よりも大きく上振れた場合は、RBAが物価見通しの修正を迫られる可能性が意識され、豪ドル高圧力として働くことも考えられる。また、総合指数の伸び率は政府の電気料金補助で押し下げられていることから、刈り込み平均の伸び率も注目されそうだ。また、金融市場でオーストラリア経済と関連が深い中国経済の復調への期待を高める材料が出た場合にもオーストラリア経済への追い風とみなされ、豪ドル高要因になることもありえる。
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