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円安止まらず158円目前 5か月ぶり 日銀1月利上げ見通しに脆さ

ドル円相場は2日あまりで4円の円安が進行。FRBの利下げペース減速見通しと日銀の利上げへの慎重姿勢が円安材料となっている。

円安止まらず158円目前 5か月ぶり 日銀1月利上げ見通しに脆さ 出所:ブルームバーグ

ドル円相場で円安が急加速した。20日の東京市場では1ドル=158円台が目前に迫る場面もあり、約2日間で4円以上の円安が進行。約5か月ぶりの円安水準となっている。18日と19日に発表された連邦準備制度理事会(FRB)と日本銀行の金融政策の方向性がともに円安材料になったためだ。なかでも日銀の植田和男総裁は19日の記者会見で利上げに対する慎重姿勢を強めており、2025年1月の利上げも雲行きが怪しくなっている。また、金融市場ではFRBの次回の利下げも来年春以降になるとみられており、日米の長期金利差は大きく拡大。ドル円相場の今後の見通しは円安圧力と日本政府の為替介入への警戒感が動かすことになりそうだ。

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ドル円相場は157.93円まで円安が進行 5か月ぶり水準

ドル円相場(USD/JPY)は日本時間の20日午前に一時、1ドル=157.93円をつけた。ブルームバーグによると、7月17日につけた158.61円以来5か月ぶりの円安水準だ。17日のニューヨーク市場の終値(153.46円)からは4.47円の円安となり、2日あまりで一気に円安が進行したといえる。

ドル円相場の日足チャートと主な出来事のグラフ

円安材料となったのは日米の金融政策の方向性だ。FRBは18日までの連邦公開市場委員会(FOMC)で3会合連続の利下げを決めつつ、経済見通しでは2025年の利下げ回数が2回に留まることを示唆。ジェローム・パウエル議長は記者会見ですでに利下げ幅が合計1%ポイントに達したことを強調し、今後の利下げペースが緩やかになることは当然だとしている。アメリカの金利の先高観は円安要因だ。

日銀は追加利上げに慎重姿勢 春闘やトランプ政権の動向を見極めへ

またドル円相場では日銀の政策決定も大きな円安要因となった。日銀は19日までの金融政策決定会合で利上げを見送り。植田氏は記者会見で経済や物価が見通しに沿って推移すれば利上げするとしつつも、タイミングについては「様々なデータや情報を丹念に点検したうえで判断していく」と話した。注目点としては「今後の賃金の動向」や「米国の次期政権の経済政策をめぐる不確実性」を挙げている。

さらに植田氏は賃金動向に影響を及ぼす2025年春闘の見通しについて全体像がみえてくるのは「3月とか4月」とも言及。次の利上げを決断するには「もうワンノッチほしい」として、賃上げ継続の勢いがより明確になるまで利上げを見送る考えを示唆した。一方、植田氏は1月23、24日の決定会合の段階でも日銀支店長会議で報告される地方経済の状況や春闘をめぐる関係者の発言を踏まえて利上げの是非を判断する考えも示している。

日銀の1月利上げ確率は45%程度 FRBの次回利下げは3月の見通し

こうした中、金融市場では1月利上げの可能性は五分五分とみられている。ブルームバーグによると、投資家の動向から算出される1月利上げの確率は日本時間20日午前11時の段階で45%程度だ。植田氏は1年前の2023年12月の決定会合で一部で予想されていたマイナス金利解除を見送った際にも春闘の動向を含めた「様々な情報をみたい」と説明。最終的にはマイナス金利を含む大規模金融緩和の終了を2024年3月まで持ち越しており、今回の追加利上げも春までずれ込む可能性は拭えない。

また、ドナルド・トランプ次期政権が打ち出すとみられる高関税や不法移民対策、規制緩和なども全容が分かるまでに時間がかかる見通しで、日銀の利上げ決断を遅らせる可能性がある。FRBのパウエル氏も植田氏と同様にトランプ氏の政権運営が経済に与える影響を慎重に見極める考えで、金融市場ではFRBの次回の利下げは来春になるとの見方が優勢だ。CMEグループのデータによると、金融市場では1月28、29日のFOMCでは利下げ見送りが濃厚とみられており、3月FOMCまでの利下げ確率も44%程度とされている。

日米の長期金利は3.5%ポイント 日本政府の為替介入への警戒とせめぎあいか

日本の金利が上がりにくく、米国の金利が下がりにくいという見通しは日米の長期金利(10年物国債利回り)の差を拡大させている。ブルームバーグによると、日米金利差は19日終値時点で3.501%ポイント。5月29日(3.534%ポイント)以来の大きさだ。

日米の長期金利差とドル円相場の推移のグラフ

足元で進む円安は輸入物価の上昇を通じて、物価全体を押し上げる要因となりえるが、植田氏は輸入物価の動向について「対前年比でみると割と落ち着いている」とも説明している。ドル円相場の今後の見通しをめぐっては、植田氏の会見が強めた円安圧力と日本政府による為替介入が円高を急激に進めることへの警戒感とのせめぎあいが起きることも想定されそうだ。


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