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日銀、6月決定会合は現状維持か 7月へデータ収集 先行きに不安も

日銀は16日までの決定会合で金融政策を維持する見通し。年内のYCC修正も見込まれているが、当面の日銀金融政策は円安要因となる。

出所:ブルームバーグ

日本銀行が15、16日に開く金融政策決定会合では、イールド・カーブ・コントロール(YCC)を含む大規模金融緩和政策が維持される見通しだ。植田和男総裁は物価動向に上振れの兆しがあると指摘しつつ、7月の決定会合に向けて経済状況を精査する方針。日銀がYCC修正に向けて動き出すのは、その後になると見込まれている。ただ、日本経済をめぐるデータは力強さを欠き、経済や物価が持続的に上昇していく流れは定かではない。植田氏自身も政策転換を急がない方針を強調しており、当面の日本の金融政策の方向性は引き続き円安要因として働きそうだ。

日銀・植田総裁「情報を丹念に精査」

植田氏は9日の衆院財務金融委員会で「企業の価格設定行動にやや上振れ方向での変化がみえる」と述べた。さらに3月の春闘で賃上げ率が高くなっていることも、物価上昇率の上振れ要因だとしている。日銀は4月に公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で2023年度半ばにかけて物価上昇率が低下していくと分析しているが、物価高が日銀の想定以上に長引く可能性を示した形だ。

とはいえ、こうした植田氏の発言が6月会合での金融政策修正を意味するものとみる向きは少ない。植田氏は7月会合(7月27、28日)にあわせて発表する次回の展望リポートに向けて「様々なデータや情報を丹念に精査していきたい」とも話しており、6月会合では現状の大規模金融緩和策を維持し、7月会合での意思決定につなげるとの見方が強まっている。

第一生命経済研究所の藤代宏一氏は6月6日のレポートで、賃上げの加速が期待される状況を考慮すれば「目下の名目賃金上昇率はYCCという極めて強力な金融緩和策を修正するに十分」と分析。6月会合での金融政策維持を予想しつつ、「今後、賃金データの加速が明確化するにしたがって日銀は緩和修正のための理論武装を始めると推察される」とし、10-12月期でのYCC修正を見込む。

企業物価指数の伸びは低下傾向

ただし日本の経済指標は硬軟入り混じっている状況だ。日銀が12日に発表した5月の国内企業物価指数(速報値)は前年同月比5.1%で、2023年12月の10.6%をピークとして5か月連続で縮小している。また、5月26日に発表された東京都区部の消費者物価指数(CPI、中旬速報値)の伸び率は生鮮食品除く総合指数で3.2%。4月の3.5%や、市場予想の3.3%を下回った。6月23日に5月分が発表される全国のCPIも4月までは東京都区部と同じ傾向をたどってきた。これに対して、生鮮食品とエネルギーを除く総合指数は3.9%の伸びで、上昇基調が続いている。

日本の消費者物価指数(全国、東京都区部)の伸び率の推移

一方、6月8日に発表された2023年1-3月期GDPの改定値は、実質成長率が前期比年率換算で2.7%に上方修正された。速報値の1.6%を上回る好調ぶりだ。しかし上方修正の要因としては、在庫積み増しの効果が上振れしたことが大きい。成長率のうち1.6ポイント分は在庫の積み増し効果で、国内の消費活動の強さの表れとはいいがたい。

日本の四半期ごとの実質GDP成長率(前期比年率換算)の推移

こうした状況を踏まえれば、植田氏が期待する、賃金上昇が消費活性化につながり、結果として物価が上昇する持続的な好循環が実現しているとはいえない。植田氏は5月、「拙速な政策転換を行うことで、ようやくみえてきた2%達成の『芽』を摘んでしまうことになった場合のコストは極めて大きい」と強調し、短期的な数字の上振れを理由とした大規模金融緩和の解除は行わないとの考えを示唆している。

ドル円相場(チャート)では米連邦準備制度理事会(FRB)が6月13、14日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを見送るとの観測の強まりからドル高圧力が一服し、1ドル=140円前後での値動きが続いている。14日のジェローム・パウエルFRB議長の会見を経た後、植田氏が決定会合後の記者会見で、物価や金融政策の先行きに関する見解を変化させるかどうかがドル円相場を動かす要因となりそうだ。


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