フランス株、急落継続 株価指数が週次6%超安 総選挙で見通し不安
フランスのCAC40は14日までの週次で6%超安。政治の不安定化が経済の見通しを悪くしており、S&P500と明暗が分かれている。
フランスの株価の急落が続いている。フランスの代表的な株価指数であるCAC40は14日までの1週間で6.2%安を記録し、年初来の騰落率がマイナスに転落。2週連続での上昇を確保し、最高値更新を繰り返すアメリカのS&P500種株価指数とは対照的だ。CAC40は5月に入ってから不振が目立っていたが、エマニュエル・マクロン大統領が6月9日に国民議会(下院)の解散を決めてから一気に下落が加速している。下院総選挙が決着する7月7日にかけて、政治の不透明感が株価をさらに下押しする可能性もありそうだ。
フランスのCAC40が週次で6.23%安
CAC40はユーロネクスト・パリに上場している企業のうち、時価総額上位40位で構成される株価指数。LSEGによると構成銘柄中の時価総額上位には、高級ブランドのLVMHモエヘネシー・ルイヴィトン(LVMH)やエルメス・インターナショナル(HRMS)、化粧品のロレアル(OREP)、石油大手のトタルエナジーズ(TTEF)などが名を連ねている。
LSEGによると、CAC40(FCHI)の14日の終値は前日比2.66%安の7503.27。1週間前との比較では6.23%安となった。金融大手のソシエテ・ジェネラル(SOGN)が週次14.87%安、BNPパリバ(BNPP)が11.99%安となるなど、40銘柄すべてが週次で下落した。一方、米国のS&P500(SPX)は週次1.58%高となり、最高値更新を繰り返している。CAC40は2024年に入って5月半ばまではS&P500と同等のパフォーマンスだったが、14日終値は2023年末比0.53%安にあたる水準で、13.87%高のS&P500と明暗が分かれている。
CAC40の不振は1日の価格変動の分布にも表れている。CAC40は5月2日から6月14日までの32営業日のうち、下落率が1%を上回った日が5日あり、0日だったS&P500よりも厳しい値動きだったことが鮮明。逆に1%以上の上昇はS&P500の4回に対して、CAC40は0回という結果だ。騰落率の平均はCAC40が0.19%安、S&P500が0.24%高で、やはりCAC40の悪さが目立つ。
このところのCAC40急落の要因は政治の不安定化だ。フランスでは6-9日に投開票された欧州議会選挙で、欧州連合(EU)に懐疑的な右派が躍進。マリーヌ・ルペン氏が率いる極右政党の国民連合(RN)はフランス国内で31%の票を得た。中道派のマクロン氏は国民の信を問うとして9日に下院の解散と総選挙実施を決めたが、世論調査をめぐってはRNが第一党になり、首相を選出できる可能性も出てきたと報じられている。一方、左派勢力も結集を進めており、マクロン氏は左右から挟撃されている形だという。
フランスの総選挙は577の小選挙区で6月30日と7日7日の2回投票が行われる。1回目の投票で50%以上の得票率などの条件を満たした候補者がいれば議席が確定。そうでなければ上位の候補が2回目の投票に進み、最多得票者が議席を得る。投票結果次第では、政治の混乱が経済政策や財政政策の混乱につながる可能性があり、政治の先行き不透明感がCAC40に対するさらなる下落圧力として働く可能性もありそうだ。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。