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日経平均、停滞 S&P500上昇に沸かず 日銀利上げ見通しは不安

日経平均の14日の終値は1週間前比130円高。3万9000円台は維持できず、最高値更新を繰り替えずS&P500と勢いの差が出た。

日経平均、停滞 S&P500上昇に沸かず 日銀利上げ見通しは不安 出所:ゲッティ

日経平均株価の活気が失われている。14日の終値は1週間前比で0.34%高。2週連続の上昇を確保したが、週の初めに回復した3万9000円台の維持はならず。半導体株の上昇は続いたものの、全体を底上げするには至らなかった。一方、アメリカの株式市場ではS&P500種株価指数が最高値更新を繰り返しており、日経平均の停滞ぶりとは対照的だ。日本銀行が金融政策の引き締めに向けて舵を切り始めたことが日本株の見通しを暗くしている可能性があり、ドル円相場の行方とともに今後の重荷となることも考えられる。

日経平均は週次130円上昇も、3万9000円台維持できず

日経平均(N225)の14日の終値は1週間前比130.63円高の3万8814.56円。2週連続の上昇ではあるが、11日まで維持していた3万9000円台を週の後半で失う流れだった。

日経平均株価と週次の騰落幅の推移のグラフ

個別株では前週に続いて半導体株が好調。英半導体大手アーム・ホールディングスを傘下にもつソフトバンクグループ(9984)は週次6.36%高。半導体検査装置のアドバンテスト(6857)は4.71%高、半導体製造装置の東京エレクトロン(8035)は1.42%高だった。しかし225銘柄中、週次で値上がりしたのは93銘柄だけ。半導体株の力だけでは日経平均全体を引っ張ることはできなかった。

日経平均への寄与度の個別銘柄ランキング

アメリカのS&P500は週次1.58%高 最高値更新を繰り返す

こうした日経平均の勢い不足は米国のS&P500(SPX)とは対照的だ。S&P500の14日の終値は1週間前比で1.58%高にあたる5431.60。10日から13日にかけては4日連続で最高値を更新する力強さだった。

S&P500と日経平均の週次騰落率の推移のグラフ

S&P500の好調の背景には、12日発表の5月消費者物価指数(CPI)の伸び率が市場予想を下回り、物価上昇沈静化の動きを感じさせたことがある。同じ日に連邦準備制度理事会(FRB)が示した経済見通しでは、年内の利下げ回数が1回に留まる方向性が示されたが、金融市場では年内2回を見込む声も強い。14日のニューヨーク債券市場での長期金利(10年物米国債利回り)の終値は4.213%で、3月28日(4.194%)以来の低さとなっている。

アメリカの半導体株は急上昇継続 エヌビディア9%超高

また、米国の半導体株は脅威的な上昇が続く。半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)の株価は10日から株式10分割後の取引が始まる中、前週末比9.09%高を記録。同業のブロードコム(AVGO)は12日に発表した2024年2-4月期決算発表が市場の期待を上回り、週次の上昇率は23.35%となった。また、S&P500構成銘柄ではないものの、アームの株価(ARM)も週次15.61%高の勢いだ。10日にはアップル(AAPL)が人工知能(AI)ブームの火付け役となったオープンAIとの提携を発表したこともあり、ハイテク企業のAI投資が半導体企業を潤す見通しへの期待が強まった。

S&P500とアメリカの主な半導体株の値動きの推移のグラフ

日銀が利上げに向かえば、円高と株安を招く?

こうした中でも日経平均の停滞が目立つ事情には、日銀の金融政策の見通しが変わりつつあることの影響もありそうだ。日銀は2022年以降、欧米の中央銀行が利上げを進める中でも大規模金融緩和を維持。日本の金利水準を低く抑えてきたことが、海外投資家が日本株を評価する理由になってきた。しかし日銀は3月には大規模金融緩和を終了させ、利上げを見据えた金融政策にシフト。植田和男総裁は6月14日の金融政策決定会合後の記者会見で7月30、31日の次回会合での利上げについて「当然、ありえる」と述べた。

今後の日経平均の見通しはドル円相場(USD/JPY)の動きに左右される可能性もある。14日のドル円相場は一時、1ドル=158円台まで円安が進む場面もあったが、ニューヨーク市場の終値では157.37円に落ち着いた。日銀の利上げ見通しが強まり、円高が進むことになれば、日経平均の重荷となる筋書きも考えられそうだ。


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