日経平均の見通しに明るさ 半導体株の上昇鮮明 S&P500最高値
日経平均は週次で558円高。半導体株の上昇が原動力となった。S&P500も最高値を更新したが、22日のエヌビディア決算が波乱を呼ぶ可能性も
日経平均株価の今後の見通しに明るさが出てきた。17日の終値は1週間前比558.27円高となり、2週ぶりに反発。東京エレクトロンなど半導体株の上昇が原動力となった。一方、アメリカの株式市場ではS&P500種株価指数が1か月半ぶりの最高値更新を果たしており、追い風も増している。ただし来週の22日に予定されている半導体大手NVIDIA(エヌビディア)の2024年2-4月期決算発表が半導体株に波乱を起こす可能性もある。また、米国の長期金利(10年物米国債利回り)の低下がじわじわと円高を進める筋書きも残されており、日経平均にとっての不安材料といえそうだ。
日経平均は半導体株が原動力となって2週ぶり反発
17日の日経平均(N225)の終値は3万8787.38円。直近4週で1719.03円の上昇を積み重ね、その直前にあたる4月15-19日週の大幅安(2455.20円安)の7割分を取り戻した。3月22日の最高値(4万0888.43円)を起点に考えれば、4月19日までに約3820円下落した後、半分弱にあたる1719円分を回復したことになる。
アメリカのS&P500は1か月半ぶりに最高値を更新
一方、米国の株式市場も勢いづいている。S&P500(SPX)の17日の終値は1週間前比で1.54%高の5303.27で、4週連続の値上がり。15日には1か月半ぶりに最高値を更新した。この日に発表された4月の消費者物価指数(CPI)の伸び率が3月から低下したことが長期金利の下落につながり、S&P500にとっての追い風になったためだ。
エヌビディア決算がS&P500や日経平均の見通しを左右か
ただし今後の日経平均やS&P500の先行きはやはり半導体株の値動きに左右される可能性がある。注目が集まるエヌビディアが22日に発表する2-4月期決算は、総収入が前年同期比で3.4倍になる見通し。とはいえ、急成長が一巡する5-7月期の業績についての見通しで、投資家の期待に応えられなければ株価の下落を招く可能性もある。4月中旬の日経平均の急落は、台湾積体電路製造(TSMC、TSM)が4月18日の1-3月期決算発表時に2024年の半導体市場の見通しを下方修正したことがきっかけのひとつだった。
また、ドル円相場(USD/JPY)の見通しも引き続き、日経平均にとっては不安材料といえそうだ。17日のニューヨーク市場のドル円相場の終値は1ドル=155.65円。4月CPI発表後の米国の長期金利低下は急激な円高ドル安にはつながらなかったが、17日終値はCPI発表前日の14日終値との比較では0.77円の円高にあたる水準。ドル高圧力が下がっていけば、今後も円高が進行が日経平均の重荷となるシナリオも想定されそうだ。
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