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エヌビディア、総収入の見通し焦点 22日決算 株価は最高値に接近

エヌビディアの2-4月期決算は総収入が1年前の3.4倍になる見通し。半導体市況への不安で下落した株価は再び最高値が迫っている。

エヌビディア、総収入の見通し焦点 22日決算 株価は最高値に接近 出所:ゲッティ

半導体大手のNVIDIA(エヌビディア)が22日に発表する2024年2-4月期決算は総収入が1年前の3.4倍に伸びる好業績になると予想されている。ハイテク大手が人工知能(AI)開発への投資を続ける中、AI開発に不可欠な半導体の供給源としての強みを発揮する見通しだ。ただ、エヌビディアの株価は1年前の約3倍に到達しているものの、3月下旬以降は上場来高値を更新できていない。エヌビディアの株価が記録を塗り替えられるかは、決算発表時に示す5-7月期の業績見通しにかかってきそうだ。

エヌビディアの2-4月期決算は総収入が3.4倍になる見通し

エヌビディアはアメリカ東部時間22日午後4時20分(日本時間23日午前5時20分)ごろに決算を発表。40分後の午後5時から決算会見を開く。LSEGがまとめたエヌビディアの2-4月期決算に関する事前予想は、総収入が前年同期比3.4倍の245.7億ドルになる見通し。エヌビディア決算で投資家が注目する調整ベースの1株当たり利益(EPS)は5.1倍にあたる5.57ドルになるとみられている。エヌビディアは過去16回の四半期決算のうち、総収入で1回、1株当たり利益で2回、市場予想を超えられていない。

エヌビディアの業績(総収入、1株当たり利益=EPS)の推移

エヌビディアの株価(NVDA)は2023年の1年間で約3.4倍になった。AI開発向けの半導体を手掛けるデータセンター部門の急成長が投資家の期待を高めた結果だ。14日の終値(913.56ドル)は2023年末比で84.48%高。S&P500種株価指数の10.00%高を大きく上回っている。

エヌビディアの部門別収入の推移のグラフ

LSEGによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は33.39倍。前回決算発表前にあたる2月中旬の水準(33倍程度)から大きな変化はでていない。同じ半導体大手のアドバンスド・マイクロ・デバイゼス(AMD)の35.06倍ともほぼ同じ水準だ。アナリストが提示する目標株価の平均は1032.95ドルで、現状よりも13%ほど高い。5月に入ってからは目標を1200ドルに引き上げるケースも出ている。57人のアナリストのうち20人は強い買い、33人は買いを推奨。残る4人は維持を勧めている。

半導体市場への不安で株価が下落する局面も

エヌビディアの株価に一気に注目が集まったのは1年前の2023年2-4月期決算発表がきっかけ。この際に示した5-7月期の総収入の見通しが前年同期比64%増に相当する110億ドル程度だったことが金融市場を驚かせ、翌5月25日の終値は379.80ドルに到達。前日の305.38ドルから24.37%の上昇となった。エヌビディアはAI開発向けの半導体で圧倒的なシェアを持っており、その後もマイクロソフト(MSFT)やアマゾン・コム(AMZN)、アルファベット(GOOGL)などのAI開発やサービス強化の取り組みが注目を集める中、業績と株価が押し上げられてきた。

ただ、エヌビディアの株価は3月25日に上場来高値(950.02ドル)を記録してからは伸び悩む時期もあり、4月19日には上場来高値から19.79%安にあたる762ドルまで下落した。前日に台湾積体電路製造(TSMC)が示した2024年の半導体市場の見通しが、1月時点の見通しから下方修正され、半導体需要の見通しに対する不安が強まったためだ。また、エヌビディアの総収入は2023年5-7月期以降、4四半期連続で前年同期比2-3倍超の増加が続く見通しだが、いつまでもこのペースを維持できるとは限らない。

このため22日の決算発表では、急成長が一巡する5-7月期についてどのような見通しを示すかが焦点となりそうだ。LSEGがまとめた事前予想では、総収入は前年同期比96.7%増にあたる265.71億ドル、1株当たり利益は2.2倍の5.92ドルが見込まれている。投資家の高い期待をクリアすることは容易ではないうえ、エヌビディアにはアメリカ政府による中国向け輸出規制強化という逆風もあり、22日に示される見通しが株価下落につながることも考えられそうだ。


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