エヌビディア株、一時10%高 決算好感 中国販売は前期から半減
エヌビディアの株価は11-1月期決算を受けて上昇した。ただ、米政府の輸出規制強化で中国販売は前期から半減し、成長の足かせになっている。
半導体大手NVIDIA(エヌビディア)が21日の取引時間終了後に発表した2023年11月-2024年1月期決算は市場予想を上回る好決算だった。総収入は前年同期比の3.7倍、調整ベースの1株当たり利益(EPS)は5.9倍で、人工知能(AI)ブームを背景にした圧倒的な成長性をみせている。エヌビディア株(NVDA)は決算発表を受けた21日の時間外取引で一時10%超上昇する場面もあった。ただ、アメリカ政府の輸出規制強化の影響で中国市場での販売は8-10月期から半減。当面は成長の足かせになる可能性がある。
エヌビディアの11-1月期決算は総収入が3.7倍
エヌビディアの11-1月期の総収入は前年同期比3.7倍の221.03億ドル、調整ベースの1株当たり利益は5.9倍の5.16ドルだった。LSEGのデータによると、直前の市場予想は総収入が206.19億ドル、1株当たり利益が4.64ドル。総収入は予想を7.2%上回り、1株当たり利益は予想を11.3%上回った。また、エヌビディアは2-4月期の総収入について240億ドルという見通しを示し、こちらも市場で見込まれていた221億ドル程度を超えた。
こうした成長への期待を受けて、エヌビディア株は21日の時間外取引で一時、745ドル台をつける場面もあった。21日の終値(674.72ドル)から10%超の値上がりをみせた形だ。その後は720ドル台半ばでの推移となっている。2月14日につけた終値ベースでの上場来高値(739ドル)を下回る水準だ。
11-1月期の中国からの収入は8-10月期から半減
ただ、エヌビディアの成長性はアメリカ政府が10月に発表した中国向け輸出規制強化に足を引っ張られている側面もある。11-1月期の中国での収入は19.46億ドル。8-10月期(40.3億ドル)から半分以下になった。前年同期比では約2倍の成長にあたるが、総収入の3.7倍との差は明らかだ。中国からの収入が全体に占める割合は8.8%となり、8-10月期(22.2%)から大きく減少した。前回決算発表時に示した見通しに沿った結果とはいえ、影響の大きさを感じさせる数字だ。
中国市場の状況は2-4月期も変わらない見通し
エヌビディアは輸出規制に抵触しない性能を落とした半導体を開発し、中国向けの輸出を始めている。しかしファン氏は決算会見で、売り上げが顕著に減少した中国市場の状況は、2-4月期についても「ほぼ同じだと見込んでいる」と言及。5月以降についても「最善を尽くす」と述べるにとどめた。
エヌビディアの11-1月期の総収入を前期比でみれば22.0%増で、2023年5-7月期の87.8%増や8-10月期の34.2%からは減速している。エヌビディアの株価の爆発的な値上がりは、時価総額をマイクロソフトやアップルに次ぐ位置にまで押し上げているだけに、今後、ペースダウンが意識される状況も考えられそうだ。
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