日経平均、視界不良続く 米金利4%台復帰 S&P500連騰停止
日経平均にとってS&P500の上昇停止は不安材料。ただし円安進行が好感されている面もあり、来週の反転に期待がかかる。
日経平均株価は2024年の年明けも視界不良が続いている。5日の終値は1週間前比86.75円安の水準。正月休みのためこの1週間での営業日は2日だけだったが、能登半島地震の影響への警戒感で大きく値を下げる場面もあるなど、値動きは大きかった。また、アメリカの金融市場では長期金利の低下が一服しており、S&P500種株価指数は10週ぶりに値下がり。5日発表の12月雇用統計の結果などから、米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げ開始への期待が薄れ、株価の逆風になっている。ただ、結果としてドル円相場で円安ドル高が進んだことは日経平均にとっての安心材料ともいえ、来週の反転につながる可能性もある。
2024年の日経平均は値下がりでスタート
日経平均(N225)の5日の終値は3万3377.42円。4週ぶりの週次下落となったが、引き続き2023年7月3日のバブル後最高値(3万3753.33円)が視野に入る水準だ。ただ、大発会の4日には、1日に発生した能登半島地震が経済に与える影響が懸念され、大納会日終値比770円超安まで値下がりする場面もあった。震災が日本の経済活動を大きく損なうとの不安は後退しているが、2024年は波乱含みの幕開けだった。
日経平均の先行き不透明感は米国株の動きでも強まっている。S&P500(SPX)の5日の終値は4697.24で、1週間前比1.52%安。2023年末まで9週連続で上昇を続けてきた勢いが止まった。投資家心理を悪化させているのは長期金利の上昇だ。5日のニューヨーク債券市場での長期金利の終値は4.042%となり、2023年12月27日につけた3.7%台からの上昇が際立つ。4%台は13日(4.033%)以来となる。
アメリカの12月雇用統計はFRBの利下げ観測を裏付けず
長期金利上昇の背景にあるのはFRBの利下げ開始時期の確度が下がっていることだ。3日に公表された12月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では利下げ開始時期に関する目立った議論は確認されなかった。また、5日に発表された12月雇用統計は非農業部門の就業者数が前月比21.6万人増となり、市場予想の17万人を超える好調な結果。平均時給の前年同月比伸び率は4.1%で、11月(4%)を上回っており、物価上昇圧力の根強さを感じさせる数字だった。失業率は横ばいだった。米国経済の堅調さは株価にとって好材料だが、FRBが利下げを急ぐ必要性を薄れさせる内容だともいえ、株式市場の反応は歓迎一色ではなかったようだ。
ただ、米国の長期金利上昇は日経平均にとってプラスに働く要素でもある。外国為替市場では日米の金利差拡大が意識されて円安ドル高が進んでおり、日本の輸出企業の業績を上向かせると期待されているからだ。ドル円相場(USD/JPY)の5日の終値は1ドル=144.65円で、2023年末から3.59円も円安ドル高が進行している。
今後の株価の先行きを大きく左右する可能性があるのは11日に発表される米国の12月の消費者物価指数(CPI)だ。物価上昇の減速が改めて確認され、FRBの利下げ観測を強める結果になれば、日米の株価の上昇が後押しされる展開も想定される。
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