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日経平均、緊張継続 半導体株は二極化 大統領選挙などが見通し左右

日経平均株価は荒い値動きの末、週次で小幅高。アメリカ大統領選挙とFOMCを控え、緊張感が高まっているようだ。

日経平均、緊張継続 半導体株は二極化 大統領選挙後の見通し不透明 出所:Adobe Images

日経平均株価に緊張感が続いている。1日の終値は1週間前比で139円高。週半ばまでで1300円超上昇した後、最後の2日で1200円超下落するという荒い値動きだった。衆議院選挙の結果は大きなリスクとはみなされなかったが、ドル円相場での円安にブレーキがかかったことや、アメリカでの大手ハイテク企業の業績への不安が悪材料になった。一方、半導体株の値動きは二極化といえる状況で、日本株への期待が完全に消えたわけではない。ただ、米国では大統領選挙と連邦公開市場委員会(FOMC)という2大イベントが控えており、今後の見通しは不透明だ。

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日経平均株価は3週ぶり反発 1300円超高の後、1200円超下落

日経平均(N225)の1日の終値は1週間前比で139.75円高。前週(10月21-25日)までの2週続落から反発した。衆院選では与党が過半数割れとなったが、政界再編などの大きな変化には至ってはおらず、日経平均は30日までの3日間で1363円高。しかし31日には196円安、11月1日には1027円安となって週次での小幅高に終わった。

日経平均株価と週次騰落幅の推移のグラフ

ドル円相場の円安にブレーキ 日銀総裁が利上げへの距離を詰める

日経平均の上昇の足を引っ張った要因のひとつがドル円相場(USD/JPY)での円安にかかったブレーキだ。日本銀行の植田和男総裁は31日までの金融政策決定会合後の記者会見で、追加利上げの検討に関して「時間的な余裕がある」との文言を使わず。金融市場では利上げが近づいているとみなされ、31日には一時、1ドル=151円台まで円高が進んだ。日経平均は153円台に至った円安でも加速しきれていなかったが、今後円高が意識されれば、悪材料が増えることになりそうだ。

日経平均とドル円相場の推移のグラフ

また、1日の日経平均の大幅下落には米国のハイテク企業の2024年7-9月期決算発表も影響した。米国時間30日夕方に決算を発表したメタ・プラットフォームズMETA)とマイクロソフトMSFT)の決算は10-12月期の成長への不安や設備投資の大きさが悪材料となり、翌31日の米国株式市場ではS&P500種株価指数(SPX)が前日比1.86%安となった。これを受けた1日の東京市場では、半導体製造装置のアドバンテスト(6857)や衣料品大手のファーストリテイリング(9983)など値がさ株がそろって大きく下落した。

半導体株の見通しには光も アドバンテストは好決算を発表

一方、1週間の個別株の値動きをみると、日本株への期待も感じられる。アドバンテストは30日の7-9月期決算発表に際し、2025年3月期の総収入や営業利益の見通しを上方修正。翌31日には株価が6.43%高となった。英半導体大手アーム・ホールディングス(ARM)を子会社に持つソフトバンクグループ(9984)も30日までの3日間では9.05%高で、週次でも値上がりを確保した。

日経平均株価を動かした構成銘柄の寄与度ランキング

これに対して31日に7-9月期決算を発表したルネサス・エレクトロニクス(6723)は産業機器向けの半導体の需要が落ち込み、減収。8日に決算発表を控えるソニーグループ6758)や12日に決算発表を予定する東京エレクトロン(8035)も株価の値動きは冴えない。ルネサスやソニーは人工知能(AI)ブームの恩恵を受けきれておらず、東京エレクトロンは米国の中国向け輸出規制強化への警戒が重荷になっているとみられる。

日本の半導体株の値動きの推移のグラフ

こうした中、5日に迫った大統領選挙と連邦議会選挙は接戦が予想されている。共和党が大勝すれば株安要因になる一方、大勝がなければ株高シナリオも考えられる。また6、7日のFOMCに際しての連邦準備制度理事会(FRB)からの情報発信はドル円相場の行方に影響するとみられ、日経平均の今後の見通しを左右しそうだ。


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