マイクロソフト、株価3%超下落 設備投資増加見通し 実績は好決算
マイクロソフトは30日に10-12月期の設備投資増額見通しに言及。AIサービスの需要の強さを理由に挙げているが、時間外取引で株価は下落している。
マイクロソフトが30日の取引時間終了後に発表した2024年7-9月期決算は投資家の納得を得られなかった。10-12月期の業績見通しに関連し、設備投資の増加とクラウド事業の成長減速の可能性を示したためで、30日の時間外取引では株価が直前の終値比で3%超下落した。マイクロソフトは設備投資について、人工知能(AI)サービスの需要の強さに応えるためには続けなければならないと説明。また、7-9月期の実績では総収入と利益の両面で市場予想を超える結果を出しているが、巨額の負担は投資家の不安を強める要因になっているようだ。
マイクロソフトの2024年7-9月期は実績で市場予想超え
マイクロソフトの7-9月期決算は、総収入が前年同期比16.0%増の655.85億ドル。4-6月期の15.2%から加速するとともに、ブルームバーグがまとめた市場予想の645.07億ドルも上回った。また、1株当たり利益(EPS)は10.4%増の3.30ドルで、こちらも4-6月期の9.7%から増加ペースが加速した。市場予想の3.11ドルも上回り、実績としては好決算だったといえる。
10-12月期も設備投資は増加見通し クラウド事業は減速か
しかし株式市場は決算会見で示された10-12月期の見通しに反応した。エイミー・フッドCFOは決算会見で10-12月期の設備投資について「前期比で増加すると見込んでいる」と述べた。また、マイクロソフトはAIサービスの提供基盤となっているクラウド事業について成長率が前年同期比で19-20%になるとの見通しを提示。7-9月期の実績である20%からの減速も想定しているようだ。マイクロソフトは今回の決算からクラウドを含む事業分野ごとの集計方法を見直している。
マイクロソフトの設備投資額は7-9月は200億ドルで、4-6月期の190億ドルから増加。クラウド事業やAI関連の投資のうち約半分はデーターセンターの建設などの資産に振り向けられ、残り半分がCPUやGPUなどを搭載したサーバーに向けられていると説明している。フッド氏は設備投資について「顧客からのニーズにこたえる必要がある」としている。
時間外取引で株価は下落 S&P500に劣後
ただ、総収入の規模の3割に相当する投資額に投資家は不安を隠せないようだ。マイクロソフトの株価(MSFT)は30日の時間外取引で下落。30日の終値から3.7%ほど安い416ドル程度で取引を終えた。マイクロソフトの株価は7月30日の4-6月期決算発表でも設備投資負担が嫌気され株価が下落。翌31日の取引では前日比1.08%安となった。
マイクロソフトの株価は30日終値時点で2023年末比15.02%高で、S&P500種株価指数(SPX)の21.88%高に見劣りしている。マグフィニセント・セブンと呼ばれる大手ハイテク株の中では、電気自動車(EV)大手テスラ(TSLA)の3.65%高に次いで悪い成績で、AIブームに対する投資家の疑念の膨らみも感じられる。
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