メタ、AI投資を加速へ 今四半期の成長は減速見通し 株価は下落
メタの7-9月期決算は総収入の成長が鈍化。10-12月期もスローダウンの可能性がある。一方、設備投資の大幅な引き上げも表明しており、株価は下落した。
メタ・プラットフォームズが30日の取引時間終了後に発表した2024年7-9月期決算は総収入の成長が減速した。中国からの広告出稿の伸び率が大きく縮まっており、10-12月期の総収入も成長がスローダウンする可能性が出ている。またメタは2025年の設備投資額が急激に増えるとの見通しも公表。人工知能(AI)開発に資金を投じることの重要性を強調しているが、収入の伸びが鈍化する中での設備投資増額は収益性の悪化を予感させる動きだ。メタの株価は30日の時間外取引で3%超下落しており、投資家の不安は高まっている。
メタの2024年7-9月期決算は成長が鈍化 市場予想は超える
メタの7-9月期決算は、総収入が前年同期比18.9%増の405.89億ドル。4-6月期の22.1%増から成長が減速した。ブルームバーグがまとめた直前の市場予想の402.54億ドルは上回ったものの、超過は小幅だったといえる。また1株当たり利益(EPS)は37.4%増の6.03ドルで、やはり4-6月期の73.2%からペースダウンした。市場予想の5.25ドルは大きく上回っている。
中国からの広告出稿にブレーキ 総収入は10-12月期も減速か
メタの総収入の成長減速の背景には中国からの広告出稿が伸び悩んだことがある。スーザン・リーCFOは30日の決算会見で、アジア・太平洋地域の広告主からの広告出稿は前年同期比15%だったと言及。4-6月期の28.3%から大きく落ち込んだ。リー氏はこれまでも中国からの広告出稿が2023年に急増した反動が2024年に現れると説明してきたが、7-9月期で現実になった形だ。
こうした中、メタは10-12月期の見通しに関し、総収入が450億-480億ドルになると説明。中間値の465億ドルは前年同期比15.9%増にあたり、さらなる成長減速も見込まれているようだ。
メタはAI開発を強化 設備投資は2025年は「著しく増やす」
ただ、こうした中でもメタはAI関連の設備投資を加速させる考えだ。リー氏は決算会見で「メタはインフラ投資を著しく増やしており、2025年も再び大きな増加を見込んでいる」と説明した。メタの設備投資額は7-9月期は92億ドルで、総収入の約23%に相当する水準。30日には、2024年通期での設備投資額の見通しを380億-400億ドルとし、これまでの370億-400億ドルから下限を引き上げた。
マーク・ザッカーバーグCEOは決算会見で、設備投資の上積みは投資家が聞きたくない話だろうとしつつ、「事業機会はとても大きい。大規模な投資を続けていく」と話した。ザッカーバーグ氏はメタの現行の大規模言語モデル「Lhama(ラーマ)」が広く利用されるにつれて、NVIDIA(エヌビディア)やアドバンスド・マイクロ・デバイセズ(AMD)といった半導体企業がラーマ向けに半導体を最適化してくれているなどとも話した。
しかしメタの株価(META)は30日の時間外取引では下落。直前の終値から3%超の値下がりで時間外取引を終えた。メタの株価は30日終値段階で2023年末比67.19%高と好調さを維持してきたが、成長鈍化と設備投資増額の見通しが同時に示されたことで、メタの株価に対する下落圧力が強まることも考えられそうだ。
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