メタ、設備投資額の見通しは? 29日決算 株価下落のおそれも
メタ・プラットフォームズの10-12月期決算発表は2025年の設備投資見通しが焦点。総収入が伸び悩む中での設備投資増額は投資家の不安材料になりえる。
SNS大手のメタ・プラットフォームズが29日に行う2024年10-12月期決算発表は設備投資額の見通しが焦点だ。メタは前回の7-9月期決算発表で2025年の設備投資額が大きく増加するとの方向性を示して株価が下落。足元までの約3か月間の株価の上昇率は4%程度にとどまっている。メタが29日の決算発表で設備投資額の具体的な水準を示せば、改めて株価下落の要因となるおそれがありそうだ。また、メタの総収入は中国からの広告出稿の伸び悩みを背景にして成長が減速しており、やはりメタの株価の今後の見通しにとっての不安材料だといえる。
メタの2024年10-12月期決算は総収入が17%増の見通し 成長減速
メタはアメリカ東部時間29日午後5時(日本時間30日午前7時)に決算会見を開く。ブルームバーグによる事前予想のまとめによると、メタの10-12月期決算では、総収入が前年同期比17.1%増の469.67億ドルになる見通し。1株当たり利益(EPS)は26.8%増の6.76ドルになるとみられている。
予想通りになれば総収入の伸び率は3四半期連続で前四半期よりも小さくなる。1株当たり利益は、4四半期連続での成長率の鈍化だ。メタは直近19回の四半期決算発表のうち3回で、総収入が事前予想を超えられなかった。1株当たり利益では5回、予想のクリアに失敗している。
メタの株価は2024年に65%高 大手ハイテク7社の中では2番目の好成績
メタの株価(META)は2024年に65.42%高となり、「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大手ハイテク7社の中では半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)の2.7倍に次ぐ好成績だった。2023年の2.9倍に続き、2年連続での高い上昇を記録したことになる。一方、21日の終値は616.46ドルで、2024年末比では5.02%安となっている。
ブルームバーグによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は21倍程度。前回(7-9月期)の決算発表があった10月30日の25倍程度からは割高感が和らいだ。アナリストが提示する目標株価の平均は673ドルで現状よりも9%ほど高い水準。1月以降は目標株価を700ドル台に引き上げる動きも目立つ。81人のアナリストのうち、69人は買いを推奨。9人は維持、3人は売りを勧めている。
2025年の設備投資額の見通しが焦点 株価下落の材料になる可能性も
メタの株価は2024年は好調だったとはいえ、前回決算は投資家の不満を招く結果だった。決算発表翌日の10月31日の株価は前日比4.09%安。株価はその後も勢いづかず、足元までの上昇率は4.17%に留まっている。株価下落の要因のひとつは、決算発表に際して2025年の設備投資額が前年比で大きく増加するとの見通しが示されたこと。マーク・ザッカーバーグCEOは人工知能(AI)開発やAIサービス展開に向けた投資の重要性を強調し、「事業機会はとても大きい」とした。
こうした中で、29日の10-12月期決算会見で2025年の設備投資額の具体的な水準が示されれば、投資家がマイナス材料として意識する可能性がある。実際、メタの設備投資額は2024年の段階でも大きく伸びる見通しだ。メタが示している2024年の設備投資の見込み額は380億-400億ドルで、中間値の390億ドルは前年比38.8%増の水準。四半期ベースでみれば10-12月期の設備投資額は前年同期比85%程度の増加になる計算で、すでに投資家の不安材料となっている。
総収入の伸び悩みも課題 中国からの広告出稿の減速が要因
メタの設備投資額が問題視される背景には総収入の成長の減速基調もある。中国からの広告出稿の伸びが減速していることが影響した結果だ。メタが米証券取引員会(SEC)に提出した資料によると、中国を含むアジア太平洋地域からの収入は7-9月期に前年同期比14.8%増。1-3月期の41.4%増、4-6月期の28.3%増からの減速傾向が明らかになっている。
メタをめぐっては経営効率化を目指し、従業員の実績を考慮したうえで全体の5%の人員を削減し、新たな人材に入れ替えるとも報じられている。ただ経営効率化で利益を確保しても、AIをめぐる巨額の設備投資が業績向上につながる道筋がみえない中では、投資家の不安が消えない可能性もありそうだ。
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