メタ、総収入成長加速　時間外で株価上昇　AI投資に強気見通し

メタの2024年10-12月期決算は総収入と1株当たり利益の成長がともに加速

メタの10-12月期決算は、総収入が前年同期比20.6％増の483.85億ドルで、前四半期（7-9月期）の18.9％増から加速。また、1株当たり利益（EPS）は50.5％増の8.02ドルで、やはり前四半期（37.4％増）から伸び率が大きくなった。ブルームバーグによると、10-12月期決算に関する直前の市場予想は、総収入が469.76億ドル、1株当たり利益は6.78ドル。発表された実績はいずれも予想を上回る結果だった。

一方、ザッカーバーグ氏は24日に、フェイスブックへの投稿で2025年の設備投資額が600億-650億ドルになるとの見通しを示していた。29日に公表された2024年の実績（392.3億ドル）は、前年比39.6％増の大幅な積み増しだったが、さらに最大66％程度の引き上げが見込まれている形だ。

こうした決算発表に株式市場は好意的に反応した。メタの株価（META）は29日の時間外取引を692ドル程度で終了。直前の終値（676.49ドル）との比較では2.3％程度の上昇となった。大手ハイテク企業の決算発表では、収益に貢献する道筋が明確ではないAI開発やAIサービスへの巨額投資が投資家から嫌気されるケースも多いが、30億人超の利用者を擁するSNS事業の収益性と成長性がAI投資への不安をかき消したようだ。

ザッカーバーグ氏はディープシークにも言及　ビジネスモデルの強さに自信

ザッカーバーグ氏は29日の決算会見で、中国のAI企業「DeepSeek（ディープシーク）」が低価格で高性能のAIを開発したことに言及。ディープシークのAIがオープンソースとして公開されていることを踏まえ、オープンソースでのAI開発が「世界標準になる」と述べた。メタも自社開発のAIモデル「Lhama（ラーマ）」をオープンソースとして公開。ラーマが多くの産業などで利用されることでラーマ向けの半導体や関連ソフトウェアの開発も進み、利用者にとってのコストダウンにつながると説明している。

ザッカーバーグ氏はディーブシークがメタの業績に与える影響について判断するのは時期尚早だとしつつ、メタはディープシークのAIから学べることがあると強調。さらに、高い品質のAIサービスを継続的に提供できるだけのビジネスモデルがある企業が優位に立てるとの見方を示した。そのうえで、より多く利用者にAIサービスを提供するためにAI関連のインフラ投資を大規模に行うことは「長期的にみて戦略的な優位性を築くことになる」とした。

メタの2025年1-3月は成長減速の見通し　株価の不安要素に

ただしメタの29日の決算発表には不安要素もある。メタは2025年1-3月期の総収入の見通しについて、395億-418億ドルとの範囲を提示。中間値の406.5億ドルは前年同期比11.51％増にあたる水準で、2023年4-6月期（11.0％増）以来7四半期ぶりの低い成長率となる。ザッカーバーグ氏は2025年はAIサービスの利用者が拡大すると見込んでいるが、成長減速も進めば、メタの株価の今後の見通しには逆風となりそうだ。