メタ株が急落 4-6月期見通しが失望買う AI投資拡大にも不安
メタの2024年1-3月期決算は市場予想を超えたが、成長加速は続かない見通し。AIサービスの収益化も視野には入っていないようだ。
フェイスブックなどを展開するSNS大手のメタ・プラットフォームズが24日の取引時間終了後に発表した2024年1-3月期決算は市場予想を超える好決算だった。ただ、4-6月期の予想は投資家の期待を下回る内容。人工知能(AI)関連投資の拡大を背景にしたコスト増も投資家からは悪材料視された。メタの株価(META)は時間外取引で一時、約19%下落した。メタは収益源である広告事業の好調さも強調しているが、世界経済の先行き不透明感への警戒感もあるようだ。
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メタの1-3月期決算は総収入の伸びが加速
メタの1-3月期決算は総収入が前年同期比27.3%増の364.55億ドル。伸び率は10-12月期の24.7%を超え、成長が加速した形だ。伸び率が直近の四半期を上回るのは5四半期連続となる。また、1株当たり利益(EPS)は2.1倍の4.71ドルだった。LSEGがまとめた直前の市場予想は、総収入が361.56億ドル、1株当たり利益が4.33ドルで、発表された結果はいずれも市場予想を超えた。マーク・ザッカーバーグCEOは決算会見で「2024年は良いスタートを切った」と述べた。
一方、メタは4-6月期の総収入の見通しについて365億-390億ドルとの範囲を示した。中間値は377.50億ドルで、前年同期比では18.0%の伸び率となる。市場予想で見積もられていた383億ドルを下回っており、投資家の期待に応えられなかった形だ。
また、メタは2024年通年での設備投資額について350億-400億ドルとの見通しを示し、これまでの300億-370億ドルから引き上げた。中間値同士で比較すれば約12%の上積みとなる。メタは「野心的なAI研究と製品開発の努力を支援するため」に、2025年についても設備投資を加速するとしている。
4-6月の成長減速の見通しを受け、株価は一時19%安
こうした業績の見通しは投資家を満足させられなかったようだ。24日の時間外取引ではメタの株価は一時、400ドル程度まで下落。24日の終値との比較では19%の値下がりとなった。ザッカーバーグ氏は決算会見でAI関連投資に強い意欲を示しながらも、AIサービスから多くの収入を得られるのは先になるとの見方に言及した。時間外取引での株価の反応は、AIサービスの収益化に向けた投資家の視線の厳しさを反映しているようだ。
一方、メタは足元の業績については自信を示している。スーザン・リーCFOは決算会見で、広告事業の成長に貢献してきた中国からの広告出稿について「1-3月期も強さを維持した」と説明した。ただ、リー氏は2024年の事業環境は世界情勢の変化など予測不能な要因にも左右されるとしており、物価上昇率の高止まりが続く米国経済の先行きや、緊迫感が高まる中東情勢、ロシアとウクライナの戦争の長期化などの不確定要素が、広告事業にマイナス影響を及ぼすことへの警戒もあるようだ。
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