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メタ、株価下落のおそれも 31日決算 中国効果一巡で成長鈍化見通し

メタの2024年4-6月期決算は総収入の伸び率が鈍化する見通しで、株価下落のおそれがある。設備投資負担の大きさも焦点になりそうだ。

メタ、株価下落のおそれも 31日決算 中国効果一巡で成長鈍化見通し 出所:ゲッティ

SNS大手のメタ・プラットフォームズが31日の取引時間終了後に発表する2024年4-6月期決算は総収入の伸び率が鈍化する見通しだ。背景にあるのは、中国からの広告出稿急増による押し上げ効果の一巡。4-6月期のアジア太平洋地域の収入は前年同期比マイナスとなり、1-3月期の4割超の成長から急減速するとみこまれている。また、株式市場ではハイテク大手の人工知能(AI)開発が過大なコスト要因になることも不安視されており、メタの設備投資の動向にも注目が集まりそうだ。

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メタの4-6月期決算は総収入の伸び率が鈍化する見通し

メタはアメリカ東部時間の31日午後5時(日本時間8月1日午前6時)から決算会見を開く。LSEGのデータによると、メタの4-6月期決算に関する事前予想は、総収入が前年同期比19.7%増の382.99億ドル。1株当たり利益(EPS)が57.7%増の4.70ドルになると見込まれている。予想通りになれば、総収入と1株当たり利益ともに、1-3月期の実績から伸び率が減速することになる。メタは直近17回の四半期決算のうち、3回で総収入が事前予想を超えられなかった。1株当たり利益では5回、予想を下回っている。

メタ・プラットフォームズの業績(総収入、1株当たり利益=EPS)の推移のグラフ

メタの株価(META)の23日の終値は488.69ドル。2023年末比では38.06%高で、マグニフィセント・セブンと呼ばれる大手ハイテク7社の株価の中では、株価が2.5倍になっている半導体大手のNVIDIA(エヌビディア、NVDA)を別格とすれば、トップの成績だ。ただ、前回(1-3月期)の決算発表があった4月24日を起点とすれば0.97%安で、株価上昇の勢いは失われている。

LSEGによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は22.24倍で、前回決算発表前の23.71倍から割高感がやや薄れた。メタと同様に広告事業を主な収益源とするアルファベット(GOOGL)の22.11倍とは同じ水準だといえる。ただ、エヌビディアの37.96倍や、アマゾン・コム(AMZN)の35.36倍と比べると割安感があるともいえそうだ。

アナリストが提示する目標株価の平均は530.03ドルで、現状よりも8%ほど高い水準にある。63人のアナリストのうち、20人が強い買い、35人が買いを推奨。6人は維持、2人は売りを勧めている。

中国からの広告出稿はマイナス予想 設備投資も焦点に

メタの4-6月期の総収入の伸びが落ち込むとみられる背景には中国からの広告収入の急増が一巡していることがある。メタのスーザン・リーCFOは4月24日の1-3月期決算発表で、広告事業の成長に貢献していた中国からの広告出稿は1-3月期も強さを維持したと指摘。そのうえで、2022年に新型コロナウイルス禍の逆風をうけた中国の広告主からの収入が2023年に復活したことを踏まえ、「2024年は広告需要急増の効果が一巡する期間となる」と述べた。

メタが米証券取引委員会(SEC)に提出した決算資料で、メタの地域別の収入をみると、アジア太平洋地域の収入は1-3月期に103.12億ドルとなり、前年同期比41.4%の増加を示した。しかしLSEGがまとめた4-6月期に関する事前予想では、アジア太平洋地域の収入は1.4%減の84.33億ドルまで落ち込むとみられている。

メタ・プラットフォームズの地域別収入の推移のグラフ

また、このところの株式市場ではハイテク企業のAI開発投資に厳しい視線が注がれている。23日のアルファベットの決算では、AI開発に関連した高水準の設備投資が続くことが不安視され、時間外取引での株価下落につながった。メタは前回の決算発表時に2024年の設備投資額の見通しを引き上げて投資家の不満を買っており、31日には設備投資に関する方向性も焦点になりそうだ。


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