メタ、株価急騰 総収入が市場予想超え 設備投資見通しは上ぶれ
メタの4-6月期決算では中国からの広告出稿の減速が限定的だった。設備投資見通しは上振れしたが、31日の時間外取引で株価は急騰した。
メタ・プラットフォームズが7月31日の取引時間終了後に発表した2024年4-6月期決算は総収入が市場予想を超えた。中国からの広告出稿の伸び率は低下したとはいえ、懸念されていたマイナスには至らず。7-9月期の見通しについても投資家の期待に応える水準を示した。31日の時間外取引では、メタの株価は急騰した。一方、メタは2024年の設備投資の見通しを4月時点の数字から上ぶれさせており、投資負担に負けない成長性を示せるかが今後の焦点になりそうだ。
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メタの4-6月期は総収入が22.1%増 市場予想を超える
メタの4-6月期決算は、総収入が前年同期比22.1%増の390.71億ドル。1株当たり利益(EPS)が73.2%増の5.16ドルだった。LSEGによると、直前の市場予想は総収入が383.11億ドル、1株当たり利益が4.71ドルだった。発表された実績は、いずれも予想を上回る結果だったといえる。
メタの総収入が市場予想を超えた理由のひとつは、中国からの広告出稿の減速が懸念されたほどではなかったことだ。スーザン・リーCFOは決算会見で、中国を含むアジア太平洋地域からの広告出稿は前年同期比28%増だったと言及。1-3月期の41%からは減速したものの、引き続き高い上昇率だったといえる。リー氏はこれまで、中国からの広告出稿が2023年に急増したことから2024年の伸び率が低くなるとの見方を示しており、金融市場では4-6月期のアジア太平洋地域からの広告出稿は1.4%減になるともみられていた。
また、メタは7-9月期の見通しでも投資家の期待に応えた。メタが示した総収入見込みは385億-410億ドル(中間値397.5億ドル)で、市場予想の391億ドルを上回る数字。リー氏は31日の決算会見で「広告収入の世界的な需要は健全な状態が続いている」と述べた。
設備投資見通し上振れでもメタの株価は7%上昇
こうした決算内容は投資家に歓迎されたようだ。メタの株価(META)は31日の時間外取引を509ドル程度で終え、31日の終値(474.83ドル)との比較では約7%の値上がりとなった。メタは4月24日に行った前回(1-3月期)の決算発表では設備投資の増加が不安視され、株価が下落していたが、31日の時間外取引の終値はこの下落分を取り戻す水準だ。
ただ、メタは31日の決算発表でも設備投資への積極的な姿勢を表明。2024年通期の設備投資額の見通しを370億-400億ドルとし、4月に示した見通し(350億-400億ドル)から下限を引き上げた。マーク・ザッカーバーグCEOは、人工知能(AI)の新たな大規模言語モデル「Lhama(ラーマ)4」の開発には、現行モデルの約10倍もの計算能力が必要だと説明。こうしたトレンドが今後、どのように加速していくのかを予測することは難しいとしつつ、現時点では「計算能力が必要になるよりも先に計算能力を確保するリスクをとる」と述べた。
メタの4-6月期決算では中国からの広告出稿の底堅さもあって、設備投資額の上振れへの不安が覆い隠された可能性がある。メタの株価上昇が勢いを維持できるかどうかは、設備投資負担をカバーするだけの成長を続けられるかにかかっていそうだ。
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