日経平均にトランプ効果 週次1146円高 中国経済見通しは重荷
日経平均株価は週次で大幅高。米国大統領選挙でのトランプ氏の勝利が追い風になった。一方、業績下方修正で値を下げる銘柄も目立ち、不安はくすぶる。
日経平均株価がトランプ効果で浮上した。8日の終値は1週間前比で1446円高となり、9月下旬以来6週ぶりの大きな伸び。アメリカ大統領選挙翌日の6日に、ドナルド・トランプ前大統領の勝利が好感されて大幅高になったことが貢献した。なかでも防衛関連株はそろって値上がりしており、トランプトレードが現実になった形だ。ただし7日と8日の値動きは小幅にとどまり、トランプ効果は長続きせず。業績見通しの下方修正で株価が下落した銘柄も目立つ。トランプ氏の再登板が中国経済の重荷になれば日本企業への影響も考えられ、日経平均の今後の見通しが晴れ渡っているわけではない。
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日経平均株価は週次1446円高 アメリカ大統領選挙でのトランプ氏勝利を好感
日経平均株価(N225)の8日の終値は1週間前比1446.70円高の3万9500.37円。自民党総裁選挙で高市早苗氏が優勢だとの見通しが材料視されて株価が急騰した9月23-27日週(2105.65円高)以来、6週ぶりの大幅上昇となった。トランプ氏の勝利が確実になった11月6日、ドル円相場(USD/JPY)で円安が1ドル=154円台まで進み、日経平均も前日比1005.77円高を記録したことが要因だ。
また、個別株の値動きでは10月30日に2025年3月期の業績見通しを上方修正したアドバンテスト(6857)の勢いが続いており、週次10.21%高となって日経平均を234円押し上げ。ファーストリテイリング(9983)やTDK(6762)などとともに日経平均の値上がりに寄与した。
半導体株には不安も 中国経済の見通しの悪さは日本企業の業績に悪影響か
ただ、トランプ氏の勝利による株価押し上げ効果は長続きせず、日経平均は7日は99円安、8日は118円高に留まっている。日本時間の7日朝には英半導体大手アーム・ホールディングス(ARM)が示した2024年10-12月期の業績見通しが株式市場の失望を買い、親会社のソフトバンクグループ(9984)の株価が前日比1.95%安となった。12日に決算を発表する予定の半導体製造装置大手の東京エレクトロン(8035)も7日に1.73%安に沈んでいる。
こうした中、日本企業の決算発表では中国関連の不安材料が目立つ。電子部品の太陽誘電(6976)は7日に2025年3月期の業績見通しを下方修正。人工知能(AI)関連向け製品の需要は強いものの、「中国系スマートフォンのハイエンド機種の需要低迷が長引いている」などと説明した。ホンダ(7267)も6日に最終利益の見通しを下方修正。価格競争が激しくなっている中国市場での販売減少などが響いたという。太陽誘電の株価は週次で11.38%安、ホンダは9.35%安となっている。
トランプ氏は選挙戦中に中国批判を繰り広げており、中国製品に一律60%の関税を課すなどと主張している。トランプ政権下では中国の輸出をめぐる環境は厳しくなるとみられており、中国経済の復活が遠のけば日本企業の業績にも影響が及びかねない。こうした筋書きが投資家心理を暗くすれば、日経平均の今後の見通しにとっては悪材料といえそうだ。
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