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日経平均、値下がり止まらず 週次738円安 半導体株見通しに期待も

日経平均株価は2週連続での700円超安となったが、3万8000円台は維持。トランプ氏の大統領就任後の動向を受けて、値上がりに転じる可能性がある。

日経平均、値下がり止まらず 週次738円安 半導体株見通しに期待も 出所:ブルームバーグ

日経平均株価の値下がりが続いている。17日の終値は1週間前比で738円安。3万8000円台では踏みとどまったものの、年明け以降の9営業日中、値上がりは2日だけという不振ぶりだ。アメリカ政府の半導体輸出規制の見直し案がきっかけとなって、半導体検査装置のアドバンテストなどが大きく下落したことが響いている。一方、日経平均はこれまで3万8000円台では底堅さをみせており、20日以降の値動きには反発も期待できる。米国で20日に就任するドナルド・トランプ次期大統領は17日に中国との関係維持をアピールしており、半導体株の今後の見通しに明るさが増せば、日経平均が上昇に転じる展開も考えられそうだ。

日経平均株価は週次738円安 年初来の値上がりは2営業日のみ

日経平均(N225)の17日の終値は3万8451.46円で、1週間前比で738.94円安。ファーストリテイリング(6098)の下落が足を引っ張った前週(6-10日)に続き、700円を超える大きな値下がりとなった。大発会以降の9営業日のうち値上がりしたのは7日と16日のみで、年初来の騰落率は3.62%安となっている。

日経平均株価と週次の騰落幅の推移のグラフ

アドバンテストは週次11.77%安 米国政府の半導体輸出規制見直し案が重荷に

個別銘柄の値動きをみると、アドバンテスト(6857)が週次で11.77%安となり、日経平均を321円押し下げた。また、半導体製造装置の東京エレクトロン(8035)や、英半導体大手アーム・ホールディングス(ARM)を子会社に持つ、ソフトバンクグループ(9984)も1%超の下落率で日経平均を押し下げている。アドバンテストやソフトバンクグループは2024年の日経平均の牽引役だっただけに、見通しの悪さを感じさせる値動きといえそうだ。

日経平均株価を動かした構成銘柄の寄与度のランキング

半導体株値下がりの要因となったのは、米国政府が13日に公表した人工知能(AI)開発向け高性能半導体をめぐる輸出規制の見直し案だ。最先端AIの中核技術が中国に流出することを阻止する狙いで、米国の株式市場では半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)の株価が大きく下落するなどの反応が出た。ジョー・バイデン大統領が退任間際に打ち出した見直し案の見通しは不透明だが、AI関連需要への期待で値上がりしてきた半導体株にとって悪材料になったようだ。

また、半導体株の値動きには、16日に発表された台湾積体電路製造(TSMC、TSM)の2024年10-12月期決算発表も追い風にはならなかった。TSMCは決算発表に際し、2025年の総収入の伸びは20%台半ばになると言及。AI関連需要を背景に高成長が続く形だが、2024年の30%成長からは減速するとの見通しだ。翌17日の日本の株式市場では、半導体株に大きな値上がりはみられなかった。

アドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループなど日本の半導体株の値動きのグラフ

ドル円相場は一時、154円台 17日終値では156円台まで円安に振れる

さらに日経平均をめぐっては、ドル円相場(USD/JPY)での円高進行という不安もある。ブルームバーグによると、17日の取引では一時、1ドル=154.98円をつける場面もあり、約1か月ぶりの円高水準となった。円高は海外で稼ぐ日本企業の業績を下押しする要因だ。ドル円相場は17日のニューヨーク市場の終値では、156.30円まで円安方向に戻している。

日経平均株価とドル円相場の推移のグラフ

日経平均株価には割安感 トランプ氏の大統領就任が見通し改善につながる可能性も

一方、日経平均の値下がりは割安感の高まりにもつながっている。ブルームバーグによると、日経平均の水準と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は17日の終値段階で19.73倍。2024年12月2日(19.46倍)以来の低さとなった。日経平均は10月28日以降は約3か月にわたって3万8000円以上を維持しており、週明け20日以降の取引では買い戻しが入ることも考えられる。

日経平均株価と予想株価収益率の推移のグラフ

米国で20日に大統領に就任するトランプ氏は世界の金融市場の波乱要因となりえるが、当面は安全運転を心がけている可能性もある。17日には自身のSNSへの投稿で中国の習近平国家主席と電話で話したことを明かし、中国との良好な関係を強調。17日の米国株式市場ではS&P500種株価指数(SPX)が上昇した。トランプ氏の就任後の情報発信が半導体株をはじめとする日本株の復調につながるとみなされれば、日経平均株価の今後の見通しが明るくなることも想定されそうだ。


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