日経平均、2024年19%高 半導体株明暗で下半期失速 見通しに期待
日経平均株価は2024年に19%上昇。2年連続の大幅高となった。下半期には失速したものの、2025年は年明けからの上昇に期待もかかる。
日経平均株価の2024年の終値は1年間で19.22%高だった。大納会の30日の終値は4万円割れだったものの、1年を振り返ってみれば日経平均は6430.37円も値上がりした。個別銘柄では衣料品大手ファーストリテイリングが1800円以上日経平均を押し上げたほか、半導体検査装置のアドバンテストも2年連続で大幅に上昇している。一方、半導体検査装置の東京エレクトロンなど半導体株の多くは2024年下半期に失速しており、今後には不安も残る。ただ、日経平均は2024年も年明けの好スタートが年間の好成績につながっており、2025年の見通しにも期待がかかる。
日経平均株価は2024年に19%上昇 3万9894.54円は年末最高値
日経平均株価(N225)の30日の終値は前週末比で386.62円安の3万9894.54円。前週末は1週間で1579円高となって5か月ぶりに4万円台に復帰したが、大台維持はならなかった。しかし30日終値は大納会の終値としては過去最高。年間騰落率の19.22%は2023年の28.24%高に続く大幅な上昇だ。日経平均は2月22日に1989年12月末以来34年ぶりの最高値更新を果たした後も上昇の勢いが続き、7月11日には4万2224.02円まで値を伸ばした。
レーザーテックや東京エレクトロンなど半導体株の多くは下半期に失速
一方、アドバンテストやソフトバンクグループ以外の半導体株では不振も目立った。半導体検査装置のレーザーテック(6920)は空売りファンドの標的となったことをきっかけに株価が急落。年間59.15%の下落で、日経平均を最も大きく押し下げた銘柄となった。また、半導体基板を手掛ける信越化学工業(4063)も10.50%安。半導体製造装置の東京エレクトロン(8035)も4.24%安だった。2023年はレーザーテックが70.94%高、信越化学工業が82.34%高、東京エレクトロンが94.87%高だっただけに、2024年に入って様相が一変した形だ。
半導体株の下落が始まったのは、7月中旬にアメリカ大統領選挙を戦っていたドナルド・トランプ次期大統領の台湾防衛に懐疑的ともとれる発言が材料視されたことがきっかけ。台湾は半導体受託製造大手の台湾積体電路製造(TSMC、TSM)が生産拠点を置き、世界の半導体サプライチェーンの中核として重要なことから、半導体株をめぐる見通しが暗くなった。また10月にはオランダの半導体製造装置大手ASMLホールディング(ASML)の2025年の総収入の見通しが悪材料視されたことも半導体株の値下がりにつながっている。
このため日経平均の騰落率を上半期(1-6月)と下半期(7-12月)に分けてみると、上半期の18.28%高に対して、下半期は0.79%高にとどまる。半導体株の不調が日経平均の見通しを悪くしているといえそうだ。
とはいえ、日経平均は2023年も上半期に27.2%高となった後、下半期は0.8%高と失速。それでも2024年上半期に復活した。2024年はじめの金融市場では、ドル円相場(USD/JPY)で円安が急進し、日経平均の追い風となった。金融市場では中国株から日本株への資金移動が起きているとの分析も出た。
2025年の見通しには期待も 雇用統計やFOMC議事録、エヌビディアCEO講演などに注目
このため2025年の見通しをめぐっては、2024年7月の最高値を上回るとの期待も強い。企業業績の成長継続が予想されているうえ、2024年の最終盤での値上がりが投資家の期待を高めているようだ。
2025年の金融市場では、2024年と同様、大発会がある1月6日までにドル円相場で大きな動きが出る可能性があるほか、8日発表の12月米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨や、10日発表の12月雇用統計が投資家心理を揺らす可能性がある。また、半導体株をめぐっては米半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)のジェンスン・ファンCEOが日本時間7日午前11時30分から行う講演や、10日のTSMCの台湾ドルベースでの12月総収入の発表なども注目を集めそうだ。これらの材料が好感されて半導体株の上昇につながった場合には、日経平均の今後の見通しに差す光が強くなることも考えられる。
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