日経平均3万6000円目前 海外資金流入 S&P500記録更新
日経平均は円安が追い風になって約34年ぶりの高値圏。アメリカのS&P500も半導体株の上昇で史上最高値を更新した。
日経平均株価が約34年ぶりの3万6000円台に迫っている。19日の終値は1週間前比で386.16円高。前週の2000円を超える記録的な上昇後にも関わらず、勢いを持続した。外国為替市場で進む円安が日本株への安心感を高めており、海外投資家からの巨額の資金流入も年明けの株価急上昇の背景になっているようだ。一方、アメリカのS&P500種株価指数は約2年ぶりに史上最高値を更新。半導体関連株への期待が株価を押し上げた。円安と米国株高が同時並行で進むという日経平均にとっては理想的な形になっている。
日経平均は週次386円高で約34年ぶりの高値圏
日経平均(N225)の19日の終値は3万5963.27円。前週の2199円高に続く連騰で、1990年2月20日(3万6895.52円)以来、33年11か月ぶりの3万6000円台が目前に迫っている。1989年12月29日の史上最高値(3万8915.87円)までの距離も3000円を切った。
日経平均を勢いづかせているのは円安だ。ドル円相場(USD/JPY)の19日のニューヨーク市場の終値は1ドル=148.14円で、1週間前と比べて3.24円の円安ドル高。2日につけた140.80円との比較では、2週間あまりで7円超もの円安ドル高が進んだことになる。円安は日本の輸出企業の業績を上振れされる要因で、投資家の安心材料になっている。
海外投資家の買い越し額は9854億円に
また、円安進行は海外投資家に日本株買いの絶好の機会を提供しているようだ。日本取引所グループが18日に発表したデータでは、日経平均が大幅高となった8-12日週の海外投資家による日本株の買い越し額は東京証券取引所と名古屋証券取引所の合計で9557億円。2023年6月5-9日週(9854億円)以来の大きさとなった。海外投資家の日本株買いは2023年上半期に日経平均が27%上昇した際にも原動力となっただけに、投資家にとっては吉兆。当時、海外投資家は3月下旬から6月中旬まで12週連続で日本株を買い越した。
日本株人気の余波は海外市場にも及ぶ。上海市場では、中国の資産運用大手、華夏基金管理(チャイナAMC)が管理する日経平均連動型上場投資信託(ETF)の華夏野村日経225ETFが、基準価額(1口当たりの純資産価格)を大きく上回る価格で取引されている。LSEGによると、19日の取引価格は基準価額を約11%上回る水準だ。中国株の不振に嫌気した投資家が日本株に関心を高めた結果とされ、上海証券取引所は投資家にとってリスクが大きいと判断して取引停止を繰り返している。
アメリカのS&P500は2年ぶりに史上最高値更新
一方、米国のS&P500(SPX)は19日になかなか越えられなかったハードルをクリアした。19日の終値は4839.81で、1週間前比で1.2%高。2022年1月3日につけたこれまでの史上最高値(4796.56)を超えた。半導体の受託生産で世界首位の台湾積体電路製造(TSMC)が18日に2024年の総収入が前年比2割増になるとの見通しを示し、半導体関連株が大きく値上がりしている。米国の株式市場を引っ張ってきた半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)の株価は19日の終値で594.91ドルとなり、2023年末比の上昇率が早くも2割を超えた。
22日以降は22、23日に日本銀行が金融政策決定会合を開くほか、米国では25日に2023年10-12月期GDP速報値の発表、26日に12月の個人消費支出(PCE)物価指数の発表も予定されている。また23日には本格化している米大統領選の候補者選びで、ニューハンプシャー州予備選が開かれ、共和党のドナルド・トランプ前大統領が復権に向けてどこまで強さを示せるかが焦点だ。重要イベントが相次ぐ中でも、円安と米国株高という日本株にとっての好条件がどこまで保たれるかが注目される。
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