日経平均、連休明けの見通しに光 S&P500上昇確保 半導体株復調
日経平均は4連休前の3日間で301円高。その後のS&P500は4月雇用統計などを受けて連騰しているが、円高は逆風になる恐れも。
ゴールデンウィークの連休明けを前に、日経平均株価の見通しに光が差した。日経平均は4連休までの3日間の取引で301円高を確保。その後、アメリカの株式市場ではS&P500種株価指数が連騰しており、安心感が広がっているからだ。3日に発表された4月雇用統計で米国景気の過熱感が薄れ、長期金利(10年物米国債利回り)は低下しており、不振だった半導体株にも上向きの動きが出ている。一方、ドル円相場で進む円高の流れは日経平均にとっての不安材料。1ドル=150円を割り込んでいけば、日経平均の値上がりの足を引っ張る可能性も拭えない。
日経平均は4連休前に週次301円高を確保
日経平均(N225)は4連休前の2日の取引を3万8236.07円で終えた。前週末にあたる4月26日終値との比較で301.31円高となり、前週の866円高に続く上昇。中東情勢悪化や半導体株の不振で2455円安となった4月15-19日週の下落幅の半分弱を、その後の2週間でなんとか取り戻した形になっている。
アメリカのS&P500は雇用統計を受けて2週連騰
こうした日経平均の見通しの悪さを和らげそうなのは米国の株式市場の復調だ。3日のS&P500(SPX)の終値は前日比1.26%高の5127.79。2日の0.91%高とあわせて、日本市場が休みに入った後で勢いを取り戻した。週次での伸び率は0.55%高で、前週の2.67%高の反動をみせなかった。
S&P500の安心材料となったのは3日発表の4月雇用統計だ。非農業部門の就業者数は前月比17.5万人増で、3月の31.5万人増(改定値)から大幅に低下。市場予想の24.3万人増を大きく下回った。また、失業率は3.9%で、3月の3.8%から上昇。平均時給の伸び率は3.9%で、3月(4.1%)を下回った。いずれも労働市場の過熱感の和らぎを示す内容で、LSEGのデータによると、3日のニューヨーク市場の長期金利の終値は4.500%まで低下し、株式相場の追い風となった。
アメリカの半導体株はFOMC後に上向きに
また連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策の見通しに大きな変化が出ていないこともS&P500を下支えした。FRBのジェローム・パウエル議長の1日の連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見は、物価上昇の根強さで利下げが難しくなっていることを認めつつも、利上げに動くほどではないとする内容だった。
米国株の見通しの明るさは半導体株の値動きにも表れた。半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)の株価は2、3日の連続で3%台の上昇を記録。30日の1-3月期決算発表で株価下落を招いたアドバンスド・マイクロ・デバイセズ(AMD)も同じく連騰している。こうした半導体株の復調は、4連休明けの日経平均の値動きにプラスに働きそうだ。
日経平均の見通しは急進した円高にも左右される
ただ、日経平均の今後の見通しにとってはドル円相場(USD/JPY)で急進した円高がマイナス材料として意識される可能性がある。ドル円相場は日本時間29日午前に1ドル=160.03円をつけた後、154円台まで一気に円高が進行。その後、再び円安の流れが戻ったが、FOMCの発表を受けた2日未明には再び、157円台から153円台まで円高が急進した。いずれも日本政府の為替介入があったとみられており、3日のニューヨーク市場の終値は152.98円となっている。3日の取引では雇用統計発表直後に151.85円をつける場面もあった。
2023年以降の日経平均の急伸はドル円相場が130円台から150円台へと円安に振れる中で起きた。日経平均が最高値(4万0888.43円)をつけた3月22日のドル円相場の終値は151.44円だった。週明け以降のドル円相場が140円台へと円高方向に動くことになれば、日経平均の上昇の足を引っ張ることも考えられそうだ。
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