日経平均に大台割れ不安 半導体株に脆さ 円高基調で晴れない見通し
日経平均は週次で1126円安となり、4万円割れが目前。トランプ氏の発言に揺れた半導体株や円高基調が見通しに影を落としています。
日経平均株価に急激な逆風が加わった。19日の日経平均の終値は1週間前比で1126円安。4月中旬以来の大幅下落で、4万円割れの不安が膨らんだ。急落のきっかけはアメリカの大統領選挙で勢いづくドナルド・トランプ前大統領の発言。トランプ氏の台湾をめぐる発言が、日本を含む世界の半導体産業への悪影響を連想させ、半導体株に支えられる日経平均の脆さを露呈した。ドル円相場で続く円高基調も日本株にとっては重荷で、急上昇を続けてきた日経平均の見通しが変化する可能性もありそうだ。
日経平均は週次で1126円安 4万円割れが目前に
日経平均(N225)の19日の終値は4万0063.79円。1週間前比で1126.89円(2.74%)の下落で、1日以来の4万円割れが目前に迫った。週次での下落幅はちょうど3か月前にあたる4月15-19日週(2455.20円安)以来の大きさだ。
トランプ氏の発言で日本の半導体株も下落
半導体株の下落を招いたのは、トランプ氏の発言だ。インタビューで台湾防衛に懐疑的な見方を示したことが17日の株式市場で材料視され、台湾に主要な生産拠点を置く台湾積体電路製造(TSMC、TSM)が抱えるリスクが意識された。TSMCはアメリカの半導体大手のNVIDIA(エヌビディア、NVDA)やアップル(AAPL)も顧客に名前を連ねる半導体受託製造最大手で、世界の半導体サプライチェーン(供給網)の中核ともいえる存在だ。台湾有事は世界の半導体株の見通しを暗くする。
こうした不安の中で、東京エレクトロンの株価は17日と18日の2日間で15.55%安。SCREENホールディングス(7735)も同様に14.34%安となった。アドバンテストも2日間で7.35%安という不振だ。東京エレクトロンやアドバンテストは19日、前日にTSMCが好決算を発表したこともあって反発したが、トランプ氏のひとつの発言が大きな値下がりにつながる日経平均の脆さが表面化したといえる。
ドル円相場での円高も日本株の見通しに影
また、日本株にとってはドル円相場(USD/JPY)で続く円高の流れも逆風だ。ドル円相場は3日には37年半ぶりの円安水準である1ドル=161.99円をつけていたが、18日には一時、155.36円まで円高が進行。トランプ氏がインタビューで円安に不満を表明したことや、9月の実施が見込まれる自民党総裁選への出馬が取り沙汰される河野太郎デジタル相も円安解消を訴えたことが円高の見通しを強めた。ドル円相場の19日のニューヨーク市場での終値は157.49円となっている。
米国の株式市場は19日も下落しており、今後、投資家のリスク回避姿勢が強まっていく可能性がある。米国の株高と円安という日本株にとっての好材料が失われていけば、日経平均の見通しにも暗い影を落としそうだ。
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