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米国株に政治リスク S&P500急落 半導体産業に混乱の懸念

アメリカのS&P500は17日に1.39%安。バイデン政権やトランプ氏の政策が半導体産業に与える影響が懸念された。18日のTSMC決算が注目される。

アメリカ株に政治リスク S&P500急落 半導体産業に混乱の懸念 出所:Adobe Images

アメリカの株式市場が政治リスクに揺れた。S&P500種株価指数の17日の終値は前日比1.39%安。4月末以来、約2か月半ぶりの大幅な下落となった。下落を主導したのはNVIDIA(エヌビディア)などの半導体株や、決算発表を控えた大手ハイテク株。バイデン政権の半導体輸出規制をめぐる報道や、大統領選挙に向けて勢いづくドナルド・トランプ前大統領のインタビューが半導体産業の混乱を連想させたことが要因だ。日本時間の18日午後には半導体受託製造大手の台湾積体電路製造(TSMC)の決算発表が予定される中、世界の株式市場を牽引してきた半導体株の見通しが悪くなるおそれが浮上している。

アメリカのS&P500は1.39%下落 4月30日以来の大きさ

S&P500(SPX)の17日の終値は前日比1.39%安の5588.27。下落率は4月30日の1.57%安以来で、5月以降では初めての1%台の下落となった。長期金利(10年物米国債利回り)が4.1%台で推移し、株式市場の見通しが明るくなっているにも関わらず、追い風に乗れなかった形だ。

S&P500と長期金利の推移のグラフ

17日のS&P500の不振の要因は半導体株の急落。半導体大手エヌビディア(NVDA)は前日比6.62%安。アドバンスド・マイクロ・デバイセズ(AMD)は10.21%安となった。半導体製造装置のアプライド・マテリアルズ(AMAT)も10.48%安となっている。S&P500構成銘柄ではないものの、英半導体大手のアーム・ホールディングス(ARM)も9.55%安と沈んだ。

S&P500とアメリカに上場する半導体株の値動きのグラフ

トランプ氏が台湾防衛に懐疑的? 半導体産業に影響も

半導体株の混乱の背景にあるのは、政治リスクの高まりだ。日本時間の17日には、バイデン政権が中国に対する先端半導体技術の提供をめぐる規制を強化すると報じられた。アプライド・マテリアルズをはじめとする半導体製造装置各社への影響が懸念される動きだ。バイデン政権は2023年10月17日にも対中国半導体輸出規制の強化を打ち出し、エヌビディアの業績が下押しされるなどの影響を生んでいる

また17日の米国の株式市場ではトランプ氏のブルームバーグ・ビジネスウィークでのインタビューでの発言も材料視された。トランプ氏は中国が台湾を攻撃した際の米国の関与について懐疑的な姿勢を表明。半導体産業におけるTSMCの存在感の大きさを踏まえ、「(台湾は)米国の半導体チップビジネスをすべて奪った」と述べた。トランプ氏は13日の暗殺未遂事件後、11月5日の大統領選でジョー・バイデン大統領を下すとの予想が強まっている

半導体産業の混乱への懸念は、半導体を用いた人工知能(AI)サービスの展開やAIの活用を進める大手ハイテク株の下落としても現れた。SNS大手のメタ・プラットフォームズ(META)の株価は5日続落となる前日比5.68%安。23日に決算発表を控える電気自動車(EV)大手のテスラTSLA)の株価は前日比3.14%安となった。マグニフィセント・セブンと呼ばれる大手ハイテク7社すべてが1%超の下落にみまわれている。

エヌビディア、アップル、テスラ、アルファベット、メタ・プラットフォームズ、アマゾン・コム、マイクロソフトの株価の推移

TSMCの4-6月期決算発表に注目 半導体株にショックも

こうした中、株式市場の注目は日本時間18日午後3時に予定されるTSMCの2024年4-6月期決算会見に集まる。TSMCの業績や半導体市場に関する見通しが下振れするなどすれば、世界の半導体株にとっての逆風になりそうだ。TSMCに先立つ17日に発表されたオランダの半導体製造装置大手ASMLホールディングの4-6月期決算は、総収入と1株当たり利益(EPS)がともに市場予想を超えたが、米国に上場するASML株(ASML)は半導体産業混乱への懸念に巻き込まれ、17日は12.74%安となった。

17日の株式市場を揺らしたトランプ氏の台湾防衛に対する姿勢は明確ではなく、今後も発言が繰り返される可能性がある。また、トランプ氏の半導体の対中輸出規制への立場が、バイデン氏よりも厳しくなるのかどうかも読み切れない。半導体株やハイテク株は2023年以降の株式市場を牽引し、大幅な値上がりをみせてきただけに、米国の外交政策をめぐる思惑が半導体株の今後の見通しにショックを与えた場合の動揺が大きくなる可能性もありそうだ。


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