日経平均に円高の洗礼 最高値から1000円超急落 半導体株見通し悪化
日経平均株価は1ドル=157円台まで進んだ円高が重荷になり、最高値から急落。週次では上昇を確保したが、半導体株の見通しには不安もある。
日経平均株価が円高の洗礼を受けた。12日の終値は1週間前比で278円高を確保したが、前日につけた4万2000円台の最高値からは1000円超の急落。ドル円相場で1ドル=157円台まで円高が急進したことが投資家心理を冷やした。アメリカの株式市場で大手ハイテク株につまづきが出たことも、日本の半導体株の見通しを暗くしている。半導体株は日経平均への影響度が大きい値がさ株も多く、今後の値動きは18日の台湾積体電路製造(TSMC)の決算発表などで揺れ動く可能性がありそうだ。
日経平均は円高が重荷となって最高値から急落
日経平均(N225)の12日の終値は4万1190.68円。前日の11日には4万2224.02円をつけ、3日連続の最高値更新を果たしていたが、12日に1033.34円の下落に見舞われた。週次では278.31円高を確保し、3週連続の値上がりを達成したが、勢いが尻すぼみになった感は否めない。
12日の急落の要因は前日のニューヨーク市場のドル円相場(USD/JPY)で、1ドル=157.41円まで円高が進んだことだ。2023年以降の日経平均の急騰は、ドル円相場が130円台から161円台まで円安に進む中で起こっただけに、投資家心理を冷やす効果が大きかったようだ。ドル円相場は12日のニューヨーク市場では157.89円で取引を終えている。また11日の米国の株式市場で半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)の株価が5.57%安となるなど、主な半導体株や大手ハイテク株が軒並み値を下げたことも日本株の見通しを悪くした。
TSMCの18日の決算発表は半導体株の見通しを左右
ただ、日経平均の見通しを考える場合は、東京エレクトロンをはじめとする値がさ半導体株の重要度が高い。東京エレクトロンは1%の上昇が日経平均を35円程度引き上げる効果を持ち、225銘柄の平均値(約1.8円)を大きく上回る。こうした日経平均への影響度が大きい銘柄の筆頭格は、衣料品大手のファーストリテイリング(9983)だが、そのほかは東京エレクトロンをはじめ、ソフトバンクグループ(9984)、アドバンテスト(6857)、信越化学工業などの半導体株が上位に入る。ソニーグループも日経平均への影響度は高めとはいえ、1%上昇の押し上げ効果は5円にとどまる。
このため今後の日経平均の値動きは引き続き、半導体株全体をめぐるムードに左右されそうだ。18日に予定される半導体受託製造大手の台湾積体電路製造(TSMC、TSM)の2024年4-6月期決算発表での業績予想などが半導体市況の見通しを暗くすれば、日経平均にとっては悪い材料になることも考えられる。
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