エヌビディア、株価急騰3年目へ 6日基調講演 再加速見通しは?
エヌビディアの株価は2024年に2.8倍になる勢い。下半期は失速しているものの2025年の年明けから期待が復活する可能性もある。
アメリカの半導体大手NVIDIA(エヌビディア)の3年目の株価急騰に期待がかかっている。エヌビディアの株価は2024年に2.8倍の上昇になる勢い。2023年の3.4倍に続く劇的な値上がりで、アップルなどを抜いて時価総額が世界一になる場面もあった。一方、エヌビディアの業績の見通しには人工知能(AI)開発をめぐるアメリカと中国の対立激化の懸念が影を落としており、2024年下半期に限ってみれば株価上昇は大きく減速している。ただ、エヌビディアの株価は2023年も下半期に減速した後、2024年の年明けから急騰が再開しており、2025年も同じパターンを繰り返す可能性がある。ジェイスン・ファンCEOはテクノロジー見本市「CES」の開幕前夜にあたる1月6日に基調講演を行う予定で、株価の今後の見通しに対する期待が盛り上がる筋書きも考えられそうだ。
エヌビディアの株価は2024年に2.8倍 直近2年では9.6倍に
エヌビディアの株価(NVDA)の24日の終値は140.22ドル。ブルームバーグによると、2023年末比での上昇率は183.15%で、約1年間で株価が2.8倍に急騰したことになる。2023年の3.4倍と合わせて考えれば、約2年間で株価が9.6倍になった形だ。2022年11月にオープンAIが対話型生成系AI「ChatGPT」を公開したことを機に拡大したAIブームを背景として、AI開発に不可欠な高性能半導体を手掛けるエヌビディアの成長期待が一気に高まったことが要因だ。
エヌビディア株は2024年下半期は失速 成長鈍化の見通しも不安に
一方、エヌビディアの2024年の株価の値動きを上半期と下半期に分けてみれば、上半期の149.46%高に対して、下半期は12月24日時点で13.50%高でしかない。下半期をさらに四半期ベースで分ければ、7-9月期は1.70%安という不振だった。7月にアメリカ大統領選挙を戦っていたドナルド・トランプ次期大統領の台湾防衛をめぐる発言が悪材料視されたことや、8月28日の5-7月期決算発表で示した8-10月期の見通しが成長ペースの鈍化を感じさせたことなどが要因だ。
ただ、エヌビディアの株価は2023年も下半期に不調に陥った後、2024年の年明けのスタートダッシュに成功している。2023年下半期は8月1日の米国債の格下げ以降、長期金利(10年物国債利回り)が上昇したことが株式市場全体の重荷になり、7-9月期のエヌビディアの株価は2.83%高どまり。また10月にジョー・バイデン政権が中国向けの半導体輸出規制の強化を発表したことも見通しを悪くし、下半期の上昇率は17.07%高にとどまった。しかしその後、2024年1-3月期は82.46%高と大きく反発している。
エヌビディア株の年明けの再加速に期待 ファンCEOは6日に講演
エヌビディアの株価が2024年の年明けの復活に成功したのは、1月8日朝にCESに合わせて発表された半導体の新製品が投資家の期待を高めるきっかけになったためだ。エヌビディアの株価は8日に前週末比6.43%高を記録。翌9日にも1.70%高となっている。
エヌビディアのファン氏は米国太平洋時間の2025年1月6日午後6時30分(日本時間7日午前11時30分)から、CESが開かれるラスベガスで基調講演を行う。ファン氏の情報発信が投資家の期待を高めることができれば、エヌビディアの株価の今後の見通しが3年目の急騰に向けて一気に明るくなることも考えられそうだ。
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