日経平均に大波乱 週次2100円高は幻か 円高見通しが復活の重荷に
日経平均は27日終値で4万円台目前まで上昇したが、28日早朝までの日経平均先物は3万7000円台。自民党総裁選を受け円高は142円台前半まで進んでいる。
日経平均株価が異例の波乱に見舞われた。日経平均の27日の終値は1週間前比で2105円高となり、4万円台目前まで上昇。しかし取引終了後も続いた先物市場では日経平均先物が急落し、28日早朝までの夜間取引を3万7000円台で終えた。27日の大引け後に決まった自民党総裁選挙での高市早苗氏の敗北を受け、1ドル=146円台半ばまで進んでいた円安が一気に円高に振れたためだ。一方、アメリカの株式市場では半導体株の見通しに明るさがみえ始め、日本の半導体株にも好影響が及んでいる。とはいえドル円相場は今後も円高に振れる可能性があり、30日からの日経平均の反発を難しくすることも考えられる。
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日経平均株価は週次2100円上昇後、先物市場で急落
日経平均(N225)の27日の終値は1週間前比で2105.65円高(5.58%高)の3万9829.56円。日経平均が週次として史上最大の上げ幅(3037.67円高)を記録した8月12-16日週以来、1か月半ぶりの上げ幅だった。
しかし27日の東京株式市場の取引終了後も続いた先物市場では日経平均先物が急落。28日午前6時までの大阪取引所の夜間取引は3万7440円で終わった。27日の終値より約2400円も安い水準だ。
自民党総裁選での高市氏敗北で円安見通しが一気に後退
日経平均が異例の乱高下をみせた要因はドル円相場(USD/JPY)の激しい値動きだ。27日のドル円相場では、自民党総裁選で日本銀行の利上げを牽制した高市氏が有利との見方から円安見通しが拡大。LSEGによると、午後3時の東京株式市場の取引終了までに1ドル=146.49円まで円安が進み、日経平均を押し上げた。しかし午後3時20分ごろに判明した決戦投票の結果では、高市氏は石破茂氏に及ばず。円安見通しが一気に後退し、午後4時すぎには142.78円まで円高が進んだ。
日経平均は7月以降、7月3日の1ドル=161.99円から9月16日の139.56円まで進んだ円高が重荷となって下落傾向をたどってきた。それだけに高市氏勝利への期待で146円台半ばまで進んだ円安は投資家に強く好感されたが、高市氏の敗北で一気に日経平均の見通しが暗転したといえる。
一方、日経平均には明るい材料もある。米国の株式市場では半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)などの株価が勢いを取り戻しており、日本の半導体株の週次での上昇の背景になった。アメリカの半導体大手のマイクロン・テクノロジー(MU)が25日に2024年9-11月期について市場予想を超える業績見通しを示したことが要因のひとつで、人工知能(AI)ブームの継続期待の強まりは日経平均への影響度が大きい日本の半導体株にとって追い風だ。
ただしドル円相場は27日のニューヨーク市場の終値で1ドル=142.19円となり、東京市場からさらに円高が進んだ。米連邦準備制度理事会(FRB)が18日に利下げに踏み切る中で、円高見通しは今後も強まっていく可能性があり、日経平均にとって逆風になることも想定される。
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