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日経平均、底打ちに期待 4週ぶり反発 米国景気後退や円高は不安

日経平均株価は週次165円高で3万7000円台に復帰。ただし米国の景気後退懸念が円高につながった場合には下落圧力が改めて強まりそうだ。

日経平均、底打ちに期待 4週ぶり反発 米国景気後退や円高に不安 出所:ブルームバーグ

日経平均株価が粘りをみせた。14日の終値は1週間前比165.93円高。4週ぶりの反発で3万7000円台に復帰した。アメリカのS&P500種株価指数がドナルド・トランプ大統領の高関税政策をめぐる混乱を背景に、4週続落となったこととは対照的な底堅さを見せたことになる。アドバンテストなど日本の半導体株も値下がりが止まっており、週明け以降も日経平均の底打ちへの期待が高まりそうだ。ただし米国の景気後退への不安が円高を加速させた場合には日経平均に対する逆風が強まる可能性がある。日経平均の今後の見通しをめぐっては、米国の経済指標や日米の金融政策の動向をめぐる思惑で値動きが大きくなる局面も出てきそうだ。

日経平均株価は4週ぶりの反発 14日の263円高でプラス圏に

日経平均株価(N225)の14日の終値は前日比では263.07円高の3万7053.10円。14日までの1週間は値上がりと値下がりを繰り返す方向性がみえない展開だったが、最終日の伸びで、2月10-14日週(362.41円高)以来、4週ぶりの週次での値上がりとなった。

日経平均株価と週次の騰落幅の推移のグラフ

日経平均の反発は米国のS&P500(SPX)が14日までの1週間で、4週続落となる週次2.27%安となったこととは対照的。トランプ氏は12日に鉄鋼とアルミニウムの輸入に対する高関税を発動させるなどしており、米国株式市場での景気後退への不安は根強い。それでも日経平均が上昇した背景には日本株の割安感がありそうだ。ブルームバーグによると、日経平均の水準と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は18.7倍程度。S&P500の21.0倍程度よりも割安感が強いといえ、日経平均への評価につながっている可能性がある。

日経平均株価と予想株価収益率の推移のグラフ

半導体株に底打ちの兆し アドバンテストは週次9.82%高 東京エレクトロンも上昇

日経平均の上昇を牽引したのは半導体株だ。半導体検査装置のアドバンテスト(6857)は週次9.82%高で、日経平均を193円押し上げ。アドバンテストの株価は米半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)の決算発表が投資家の期待に応えられなかった2月24-28日週以来、大幅な値下がりが続いていたが、3週ぶりの反発となった。また、半導体製造装置の東京エレクトロン(8035)は週次1.73%高で、やはり3週ぶりの上昇。同業のディスコ(6146)も週次9.58%高となっている。日経平均への影響度が高い値がさ株である、アドバンテストや東京エレクトロンの下落停止は、日経平均の底打ちへの期待を強めそうだ。

アドバンテストや東京エレクトロンの株価の推移のグラフ

ソフトバンクグループは5週続落 アーム・ホールディングスの不振が影響

ただし個別株の値動きをみれば、同じ値がさ株でもソフトバンクグループ(9984)は週次1.47%安で、5週連続での値下がり。子会社の英半導体大手アーム・ホールディングス(ARM)の米国での株価がやはり5週連続で値下がりしており、ソフトバンクグループの業績の見通しを下押しする材料とみられているようだ。また値がさ株の筆頭格であるファーストリテイリング(9983)も週次0.74%安となり、2週ぶりの反落となった。

日経平均株価を動かした構成銘柄の寄与額ランキング

円高が進めば日経平均に下落圧力 米国の2月小売売上高や金融政策の動向が焦点

こうした中、日経平均の今後の見通しには不安も残る。中でも米国の景気後退懸念がドル円相場(USD/JPY)での円高を再加速させた場合には、日経平均の見通しも暗くなりそうだ。ブルームバーグによると、ドル円相場は11日には一時、1ドル=146.54円まで円高が進行。その後、14日のニューヨーク市場での終値では148.64円まで円安に戻しているとはいえ、トランプ氏の高関税政策をめぐる動向が景気への不安を強める可能性がある。

日経平均株価とドル円相場の推移のグラフ

また、米国で17日に発表される2月の小売売上高も米国経済の見通しを左右する材料。市場予想よりも弱い結果となれば、ドル円相場が円高に振れるとともに、米国株にも下落圧力がかかるとみられ、日経平均の見通しは悪くなりそうだ。また、日本時間の19日から20日未明にかけては日本銀行と米連邦準備制度理事会(FRB)が相次いで政策金利や金融政策の方向性を示す見通しで、円高の進行が日経平均を下落させる筋書きも想定される。


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