日経平均、好決算で上昇 週次362円高 4万円台見通しには重荷も
日経平均株価は好業績発表企業が牽引し、3万9000円台。一方、円高基調という逆風もあり、4万円突破にはさらなる起爆剤が求められる。
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日経平均株価が好業績銘柄の値上がりで上昇した。14日の終値は1週間前比362.41円高で、3週ぶりの反発。13日に2025年3月期の業績見通しを上方修正したソニーグループなどが牽引役となった。日経平均構成銘柄の予想収益も上昇しており、投資家の期待も高まり始めているようだ。ただしドル円相場では円高の根強さも感じられ、日経平均の重荷になっているもよう。日経平均の今後の見通しをめぐっては、終値では1か月あまりにわたって超えられていない4万円突破に向け、企業業績への期待がさらに高まるための起爆剤が求められそうだ。
日経平均株価は週次362円高で3万9000円台を回復 3週ぶり上昇
日経平均株価(N225)の14日の終値は前日比では312.04円安の3万9149.43円だった。週次での値上がりは、アメリカでのドナルド・トランプ大統領の就任直後の言動が歓迎された1月20-24日週(1480.52円高)以来、3週ぶりだ。週末の終値で2週ぶりに3万9000円台を回復し、見通しに明るさが出た。
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また、日経平均を126円押し上げた半導体検査装置のアドバンテスト(6857)も好業績銘柄だ。アドバンテストは1月29日に10-12月期の好決算と2025年3月期の業績見通しの上方修正を発表した後も株価が停滞していたが、ここにきて上昇が勢いづいた。一方、トレンドマイクロ(4704)は、欧米の複数のファンドが買収を狙っているとの報道が買い材料となっている。
こうした中、日経平均構成銘柄全体としての予想収益も上がってきている。ブルームバーグによると、構成銘柄の今後12か月の予想収益に基づく1株当たり利益(EPS)は14日段階で1994円程度。2024年末から約2.4%上昇した。一方、日経平均は2024年末比で1.87%安となっており、割安感が強まっていると言える。
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東京エレクトロンは週次で2.65%安 信越化学工業も値動き冴えず
ただし好業績企業の裏側には決算が評価されなかった企業もある。値がさ株の代表格の、半導体製造装置の東京エレクトロン(8035)は14日の終値が週次で2.65%安。前週(6日)の10-12月期決算発表に際して2025年3月通期の業績見通しを据え置き、投資家を失望させた。値がさ株の一角で半導体基板を手掛ける信越化学工業(4063)は週次で0.79%高となったが、1月29日の決算発表で通期業績見通しを変えておらず、やはり株価の値動きは重い。
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根強い円高基調は日経平均株価の見通しに重荷 日本の長期金利は上昇
さらに日経平均の今後の見通しにとっては円高基調も不安材料になりえる。ドル円相場(USD/JPY)は12日には一時、154円台をつける場面もあったが、14日の東京株式市場の取引時間中には152円台前半まで円高方向に戻し、日経平均の重荷になった。円高の背景には日本の長期金利(10年物国債利回り)が14年10か月ぶりの高さまで上がっていることもあり、やはり株価には悪材料だ。
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日経平均は2024年10月以降、ほぼ一貫して3万8000円から4万円の範囲で推移している。日経平均が約1年前の2024年2月22日に1989年12月末の高値(3万8915.87円)を更新した際は、取引開始前に米国で発表された半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)の好業績が日本の半導体銘柄にも恩恵を及ぼすとの期待を高めたことが決め手となっており、足元での4万円台再突破に向けて、26日に予定されるエヌビディアの2024年11月-2025年1月期決算発表への関心も高まっていきそうだ。
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