日経平均、週次下落3万8000円台 半導体株重荷 円安も見通し晴れず
日経平均株価は週次768円安で、3週ぶりの値下がり。アドバンテストなどが重荷となった。円安急進でも投資家心理は上向いていない。
日経平均株価が下落し、4万円台が遠のいた。20日の終値は1週間前比768円安で、3週ぶりの週次下落。3万8000円台へと転落している。アメリカの株式市場での半導体株安を受けて、日本の半導体株も売られたことが要因となった。一方、ドル円相場では日米の金融政策の方向性を受けて円安が大きく進展し、自動車株が買われるなどの好材料もあった。3万8000円台では日経平均の割安感も意識されやすく、23日以降の反発にも期待がかかる。ただ、半導体株の下落傾向が日経平均の重荷であることは否めず、今後の見通しが上向く材料は不足しているといえそうだ。
日経平均株価は週次768円安 6営業日続落で勢い不足
日経平均(N225)の20日の終値は1週間前比で768.54円安の3万8701.90円。6営業日連続の値下がりで、勢い不足を感じさせた。週次での値下がりは1ドル=149円台まで円高が進んだ11月25-29日週(75.82円安)以来3週ぶりだ。
半導体株の不安材料となったのは米国での半導体株安だ。なかでも半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)の株価は12日から18日にかけて5営業日続落。9日には中国政府が独占禁止法違反の疑いでエヌビディアを調査していると報じられており、米中対立が半導体企業に与える悪影響への懸念が広がっている。
円安は158円台目前まで進行 自動車株や不動産株の値上がり要因に
一方、日経平均をめぐっては円安という追い風も吹いている。20日には一時、1ドル=158円台目前まで円が売られる場面もあり、トヨタ自動車(7203)が週次で2.74%高となる背景になった。円安急進の引き金を引いたのは、米連邦準備制度理事会(FRB)が18日に2025年の利下げペースが鈍化する見通しを示したこと。さらに日本銀行が19日に追加利上げに慎重姿勢を示したことも要因となった。日本の金利上昇が進まないとの見通しは不動産株の上昇にもつながっている。
また、日経平均はこれまでの値動きでも3万8000円台では底堅さをみせてきた。ブルームバーグによると、日経平均の水準と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は20日段階で19.61倍となっており、12月2日(19.41倍)以来の低さ。株価下落の結果として割安感が増した形で、投資家の買いを誘う材料だといえそうだ。
トランプ次期政権の動向は不確定要素 日経平均株価の見通しに影も
とはいえ、日経平均上昇の原動力である半導体株の見通しが晴れたとは言い難い。米国の株式市場の20日までの週次の値動きでは、エヌビディアが上昇を確保したものの、ブロードコム(AVGO)やアドバンスド・マイクロ・デバイセズ(AMD)は下落。さらに東京エレクトロンと同業のアプライド・マテリアルズ(AMAT)は週次3.40%安で4週連続の値下がり。アームは週次13.01%安に沈んでいる。
日経平均に割安感は出ているものの、株式市場には不安材料も多い。日銀の植田和男総裁は、米国で2025年1月20日に就任するドナルド・トランプ次期大統領の政策運営は日本経済にとって不確定要素だとも強調しており、米国の政治経済の動向が日経平均の今後の見通しに影を落とす可能性もありそうだ。
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